情報集合論(仮名) 無限の正体と新しい濃度
限りないとは一般に上限を表わす概念だと思います。つまり、無限集合の場合、有限集合とは違い、どれだけ大きな値でも指定できるという事です。ならば、無限の根源は何でしょうか?根源がなければ情報を生成できるはずがありません。
そもそも情報とは人間が考えるものであるから、無限情報集合の根源は生成関数(情報の定義の仕方)だといえます。という事は、無限集合とは、いかなる区間を指定しても、何らかの値を返せるという事を意味します。ただし、情報の定義から考えて、生成関数の定義域内という制限があります。そうしないと、何でも同一視するという事になってしまい、情報を判別できなくなります。情報は区別できるものであり、その定義に反していますから、その情報が任意の情報であるために何らかの条件が必要です。
具体例として自然数について考えてみます。自然数の生成関数はf( x ) -> x + 1です。定義域は0もしくは、生成関数から生成された情報です。そして、自然数の条件は、x != 0(0以外の数値)です。自然数集合は無限なので、定義域内のいかなる区間を指定しても情報を生成できます。なお、0は空集合とみなします。
そうなると次に濃度が問題になってきます。濃度とは個数の拡張概念なので、有限集合と無限集合の双方に使えないと不便です。しかしながら、既存の濃度の概念は、「1対1対応」しかないので不完全です。現状では整数と自然数は同一濃度であり、大雑把すぎて無限の性質を細かく分類しているとは思えません。現在の濃度の定義は、個数というよりも、個数の次元数を意味していると思います。
現在の濃度で困る事を具体的に考えます。整数集合と自然集合の濃度が同一であれば、情報技術では困ります。何故ならば、必要なビット数が違うので、表現できる最大値が変化するからです。この現状は情報技術としては大変困ります。こんな曖昧な状態ではシステムを実装できません。同一限界値を求めた場合(値の区間をそろえたい場合)明らかに、自然数集合よりも整数集合のほうが1ビット多く必要となります。
そこで情報集合論では濃度の定義を生成関数に区間を指定してできる個数に変更します。例えば、整数集合は区間-10~+10を生成関数に指定すると21個の情報が生成できます。一方自然数集合は、1以上なので10個の情報しか生成できません。従って濃度は、自然数集合の個数を変数Xで表すと、整数集合の濃度は 2x + 1 となります。ここで問題となるのは、統一基準をどうするのかという点です。これについては、自然数の生成関数を基準にし、Γ(ガンマ:ジェネレートのG)とするのが良いと思います。Γ表記の濃度は、自然数集合の濃度 = Γ - 1、整数集合の濃度 = 2Γ - 1(-0を許さない場合)。 こうすることにより、異質な無限情報同士を比較できると思います。また、無限情報集合の性質の分析を生成関数の分析にすることができます。これは非常に有意義です。普通では太刀打ちできない無限の性質を分析できるようになります。