前回の記事を読んだ人の中には「じゃあ出来ない子はどうすればいいのか」と疑問に思っただろうから今回はそのことについて書きます。最初に断っておきますが、私も元々出来ない子であり、もしかしたら今でもそうかもしれません。世間一般の評価は分かりませんが、少なくとも理想の私からすれば1%ぐらいしか達成しておりませんので、そういった意味では今でも出来ない子です。
前回お話したように、この業界は一件出来ない子に優しいようで、実は物凄く不親切です。育てる気なぞ無いところが多いでしょう。しかし誰しも最初は、よほどの天才以外は全員が出来ない子なので、そのままでは永遠に出来ない子です。では、どうすればよいのでしょうか?私が自身の体験と様々な人から意見を聞いた事を基にして考えるに、
最初っから企業を当てにせずに自身で鍛える事を考えるのがベストだと思います。そして、スキルアップにならない会社は見捨ててしまいましょう。冷たいようですが会社は責任を取ってくれません。凄く身勝手なものです。そんな会社に忠誠を誓う必要はありません。会社が技術者個人を利用するのならば、技術者の方も合理的に会社を利用しましょう。これ以降は具体的な方法を述べます。
まずするべき事は
理想の自分を考える事です。何事もそうですが目標も無く漫然と生きていては永遠に出来ない子です。具体的な目標を持ちましょう。その際気をつけなければいけないのは、
長期的目標と短期的目標の両方を考える事です。情報処理技術の進化は早く、特定の言語や技術の修得だけを目標としてしまうと、その言語や技術が廃れてしまった時に対応できません。長期的な目標は抽象的なものとし、短期的な目標として、長期的目標を実現するための細かいステップを設定しましょう。具体例がないと分かり難いと思いますので、私自身を例としてあげます。
私が理想とする技術者は、OS・コンパイラ・DBMS・ネットワークプロトコルといったシステムソフトウェアを実装する能力を有し、既存の命令型言語・関数型言語・スクリプト言語・論理型言語・タグ系言語をあわせて最低10個マスターし、既存のOSに関するカーネルレベルの知識やデーベースとネットワーク関する深い知識を有しており、システムソフトからシステム構築までこなせる職人です。
その理想像を叶える為に短期目標として半年に1度目標を立てました。例えば今年は、STLの実装、および、WPF・WF・WCF・LINQの修得を短期目標として設定しています。
以上の様に、まず理想像を考えて、その人物が持つであろう知識とスキルを決定し、その知識やスキルを細分化していき、それを短期目標としております。コツは
変更を恐れない事です。知識が増すに従って、技術の細部がみえてきますので、短期目標に変更が生じる事が多々あります。しかしそれを恐れてはなりません。以前の知識が無い自分が立てた計画は間違っているのですから、その過ちを冷静に正さねばなりません。念のために注意しておきますが、かといって、
長期計画や理想像はあまり変更してはなりません。この根っこの部分がブレると
自分が見えなくなります。くれぐれも注意してください。
ここまで読んだ人の中には「理想像が分からないから困っている」と感じる人が居るかもしれません。でも、自分探しの旅へ行くのはちょっと待ってください。そういった人の為に私がヒントを書きます。私の場合は幸か不幸か、中学生の時にPCを見た瞬間に一目惚れして、それ以降はブレた事がありません。そこから以降私の人生=情報処理技術の探求です。毎日それだけを考えて生きています。しかし、そうでない人の方が大半らしいですね。そのような場合は、無理して自分探しをせずに、気持ちをリラックスさせて、
とにかく好きな事を勉強するのが一番です。そうすれば、自分が見えてくるでしょう。しかしそれは、
受身では駄目です。積極的に活動しましょう。自分を知っているのは自分だけなのですから・・・
私のお勧めとしては
勉強会へ参加するのがいいと思います。そうすれば、自ずと自分が好きな事が見えてきます。もちろんこの時も受身では駄目です。積極的に勉強しようとする姿勢が大事です。後考えられる手段としては
インターネットを彷徨うか、
作りたい物を自分自身に聞いてみましょう。もし、
何も作りたいものが無く興味も無ければ違う分野をお勧めします。情報処理技術だけがこの世の全てではありません。仲間が減るのは残念ですが、どうしても情報処理技術が好きになれないのであれば、違う人生を模索するのも一つの手です。
最後に誤解が蔓延していますので明記しておきます。
情報処理技術に年齢制限はありません。未だに35歳定年説などを信じている愚かな人が居ますが、どんな技術でも10年は修行が必要なので、あっという間に35歳になってしまいます。ですから、35歳なんて事は馬鹿げた迷信です。それに、何歳であろうとハッカーは居ます。私が聞くところによると、下は5歳、上は70歳ぐらいまでの幅があるようです。
年齢を言い訳にせずに今すぐ始めましょう。自分の人生を決めるのは他の誰でもありません貴方自身なのです。
テーマ : 情報処理技術
ジャンル : コンピュータ