中の人の徒然草405
立法府の処理性能が悪いのは、明らかに報酬と選挙システムにバグがあるからです。民間では通常、仕事の成果を考慮して給与が定められます。ですが政治家の場合、選挙に当選しただけで報酬がほぼ確定します。
この様なシステムである場合、怠けて国民の利益に貢献しなくてもよいわけですから、平気で決められない国会をする事になります。なにせ、成果を上げなくても報酬が頂けるのですから、「働いたら損をする」わけです。となれば、自然と国民の利益を考えなくなります。
民間で成果を加味する理由はまさにここにあります。お客様に利益をもたらさないと、報酬が得られないから一生懸命に働くし、お客様に尽くした人はある程度報われます。
ですが、現状では国会議員は当選と所属政党だけで報酬が決まります。だから何時まで経っても政党間の争いだけに終始し、国民の事を第一に考えない状態が続くのです。システムは人の心を変えます。というか、システムの性質がそういった人を招きます。
この件でよく言われる事は「政治家の仕事は評価できない」だとか「評価できるほど分からない」です。ですが冷静に考えて下さい。民間でお客様が理解できないサービスを提供しても売れません。つまり、サービスの対象となる人が分かるようアピールするのが当然なのです。分からない人が悪いという論法は民間では通用しません。
ただし、政治家だけを責めても仕方がありません。仕事を曖昧にしている我々国民にも問題があります。どの様なサービスを求めているのかを定義し、その様な報酬を定めないと政治家も何をしていいのか分かりません。実のところ、決断できないと称されている政治家達は、何をしていいのか分からないのかもしれません。もしくは、国民が求めている事と乖離しているのかもしれません。
私は政治家が可哀そうな職業だと思っています。何をしていいのか分からず、どれだけ働いても報酬は同じなのですから、この状態で国民に奉仕する事を求めるのも酷です。さらに言えば、この複雑な社会の全ての問題に精通した人は存在しないでしょう。従って、政治家の仕事の範囲を減らし、求められる能力を可視化する必要があります。
古くから改正されず、国民の足かせになっている法律が沢山あります。それらレガシーなシステムを改良し続けるには、政治家がするべき問題と、国民達が自分の手で改正する必要がある法律を分ければいいのではないかと思います。全ての法律に関する立法権を一部の人に与えるのは危険な上に非効率的です。
例えば、国会議員に関する法律は国民がするべきです。彼らが自分で不利になるような法律を立法する筈がありません。自分に甘くなるのは人間の性質ですから、報酬・権限・責任を定めた法を国民が制定するべきです。そうしたセキュリティがないから今の国家システムが破たんしているのです。
国家を一つのシステムとして捉えなおし、法律の生産性を真面目に考えるべきだと私は思います。国家システム自体がレガシーとなって不況や問題を生んでいます。日本が沈む前に、この古すぎるシステムを変えなくてはなりません。そうすれば多くの悲劇が避けられます。
ところで、国会の動きが遅いですが、彼らは国民の命が脅かされている事を認識しているのでしょうか?最近は特に仕事が遅いですが、その時間で死んだり苦しんだりする国民がいます。また、日本政府は随分な浪費家ですが、そのお金で救える命がどれだけいるか考えた事があるのでしょうか?
私はどうも彼らが命の重さを意識していると思えません。意識していれば、復興に1年以上もかかるなんて事ありえないでしょうし、自殺者数が3万人を超えている現状をもっと重く受け止めていると思います。彼らは人の命がかかっている事をもっと意識して欲しいです。一国民として切に願います。
テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済