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C#文法リファレンス - 自動実装プロパティ

概要
 単純なプロパティを簡潔に記述できます。

使用に適した状況
 単純なプロパティを記述する際に、他のコードを読みやすいようにしたい場合。プロテクトフィールドに直接アクセスする習慣を防ぎたい場合。

サンプル

/*----------------------------------------------------
 * 
 *  自動実装プロパティ
 *  
 ----------------------------------------------------*/

using System;
class Foo
{
    //通常の方式
    private int _normal;
    public int NormalProperty
    {
        get { return this._normal; }
        set { this._normal = value; }
    }

    #region 自動実装プロパティ

    //読み書き可能
    public int Property { get; set; }

    //読み取り専用
    public int ReadOnlyProperty { get; private set; }

    //書き込み専用
    public int WriteOnlyProperty { private get; set; }

    #endregion
}

class Sample
{
    public static void Main()
    {
        //読み書き可能
        Foo obj = new Foo( );
        obj.Property = 10;
        Console.WriteLine( "プロパティの値:{0}", obj.Property );

        //書き込み禁止
        //obj.ReadOnlyProperty = 10;

        //読み込み禁止
        //int i = obj.WriteOnlyProperty;

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}


文法
 プロパティ内のセッターとゲッターに、コードを記述せず「 ; 」記号を書きます。どちらか片方だけ自走実装にすることはできません。

解説
 フィールド代わりに記述するプロパティは、書き方が定型的であり、数が多くなると面倒になります。面倒なだけならばいいのですが、定型的で単純なプロパティの数が多くなると、無駄に行数が増え、他の注目するべきコードが埋もれてしまいます。自動実装プロパティを使用すると、一目で注目するべき内容の実装のないプロパティであることがわかります。それにより、他の注目するべきコードが読みやすくなります
 自動実装プロパティは基本的に、直接フィールドにアクセスできません。その事から、コーディングルールを強制するのにも役立ちます。経験がないと分かりにくいと思いますが、アクセス修飾子をprotectedにしてフィールドを宣言し。子クラスはそのプロテクトフィールドを操作するという形式にするかどうかもめることがあります。その行為をする主な理由は、フィールドの方がパフォーマンスが良いというものです。しかしながら、昔よりもコンパイラの最適化能力は進化しており、適切なコードを生成するようになっています。特にC#の場合、かなり洗礼されており、そのような小手先のパフォーマンス向上テクニックは必要ありません。また、その行為はカプセル化の原則に反しています。自動実装プロパティを使用すると、直接フィールドにアクセスさせるスタイルを防ぐことができます。
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テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

C#文法リファレンス - 動的型

概要
 通常はコンパイラ時に行う型チェックをせず、実行時に型を決定します。

使用に適した状況
 IronPython、IronRubyといった他の動的型言語や、COMとやり取りをしたい場合に最適です。演算子を使用したいジェネリック型にも向いています。簡単にリフレクションプログラミングをしたい場合も使用するとよいでしょう。

サンプル

/*----------------------------------------------------
 * 
 *  動的型
 *  
 ----------------------------------------------------*/
using System;
class DynamicType
{
    static void Main()
    {
        //動的型の名前を調べる
        dynamic i = 10; //ローカル変数として使用可能
        Console.WriteLine( "動的型の名前「{0}」", i.GetType().Name );
        Console.WriteLine();

        //型は動的に決まる
        Console.WriteLine( "DateTime.Nowをコンストラクタに渡した場合・・・" );
        Sample obj = new Sample( DateTime.Now );
        Console.WriteLine( "動的型の名前「{0}」", obj.Method().GetType().Name );

        Console.WriteLine( "longをコンストラクタに渡した場合・・・" );
        Sample obj1 = new Sample( 100L );
        Console.WriteLine( "動的型の名前「{0}」", obj1.Method().GetType().Name );
        Console.WriteLine();

        //存在しないメソッドを呼び出す
        Console.WriteLine( "存在しないメソッドを呼び出します・・・" );
        try {
            dynamic x = 10;
            x.Method( );
        } catch ( Microsoft.CSharp.RuntimeBinder.RuntimeBinderException e ) {
            Console.WriteLine( "例外{0}が発生しました。", e.GetType( ).FullName );
        }
        Console.WriteLine( );

        //演算子も使用できる
        int value1 = 10;
        Sample v1 = new Sample( value1 );
        int value2 = 20;
        v1.Add( value2 );
        Console.WriteLine( "加算演算子を実行します。\n{0} + {1} = {2}", 
            value1, value2, v1.Method());
        Console.WriteLine( );

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}

class Sample
{
   dynamic value; //フィールドとして指定可能

    public Sample( dynamic value ) //パラメータにも指定可能
    {
        this.value = value;
    }

   //戻り値の型としても使用可能
    public dynamic Method( )
    {
        return value;
    }

    //演算子を使用できる
    public void Add( dynamic value )
    {
        this.value += value;
    }
}


文法
 本来型を指定するべきところでdynamicキーワードを指定します。具体的には、戻り値の型、パラメーターの蚊、フィールドの型などです。

解説
 本来C#は静的型システムです。静的型システムは、実行前に簡単な間違いがわかり、パフォーマンスが良いコードを生成します。しかしながら現実は、常にそれが最適と言えません。ちょっとしたプログラムを手早く確かめたい場合、静的型システムでは、いちいち型を指定しなければならないので、不便さを感じる場合もあるでしょう。また、動的型言語やCOMといった技術と連携した場合、厳密に型を指定するのは困難です。そうした場合、動的型を使用すると、C#の力と動的型システムの力の両方が得られます。

テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

VB文法リファレンス - 型推論(ローカル型推論)

概要
 型名を省略し、VBコンパイラに型を推測させます。昔から存在する遅延バインディングとは違います。違いは、コンパイル時にチェックされる点です。遅延バインディングとは違い、実行時までエラーが見つからないという事はありません。

使用に適した状況
 型に関心を持って欲しくない状況下が適しています。つまり、データではなく、何をしているのかを伝えたいときに使用するのが最適でしょう。面倒だから省略するという方針で乱用するのは避けるべきです。
 VBの場合、遅延バインディングを乱用使用してはならないというコーディングルールを、定めでいる現場も多いと思います。それ故、匿名型も心理的抵抗感があるかもしれませんが、コンパイラが型をチェックするので大丈夫です。だからと言って、乱用してはなりません。くれぐれも注意してください。


サンプル

'----------------------------------------------------------------

'   型推論
'       静的にコンパイラが解決するところが遅延バインディングとは違う

'----------------------------------------------------------------

'↓コンパイラオプションが重要
Option Infer On 'ローカル型の推論を有効
Option Strict On '遅延バインディングを禁止
Option Explicit On '変数を明示的に宣言するよう強制

Imports System
Imports System.Collections.Generic

Module Sample

    'フィールドは型推論出来ない
    'Private obj

    Sub Main()

        '値型を推論できる
        Dim i = 100
        Console.WriteLine("変数の型は" + i.GetType().Name)

        'ジェネリック型を推論できる
        Dim list = New List(Of Integer)()

        'Null値にも指定できるが、使用すると例外がスローされる。
        Dim x = Nothing
        Try
            Console.WriteLine("変数の型は" + x.GetType().Name)
        Catch ex As NullReferenceException

        End Try

        '推論出来ないので必ず初期化しなければならない
        'Dim y

        'ラムダ式にも使用できる
        Dim foo = Sub(str As String) Console.WriteLine(str)
        Console.WriteLine("変数の型は" + foo.GetType().Name)

    End Sub

End Module


文法
 ローカル変数の時に型名を指定せず、Dimキーワードを記述します。VBには遅延バインディングがあるので、Inferコンパイラオプションおよび、関連しているコンパイラオプションも混乱を避けるために指定する必要があります。

解説
 静的な型システムを採用したプログラミング言語において、オブジェクト指向プログラミングは基本的に型を重視します。型名が一目でわからないと、オブジェクト指向設計が正しく反映されていないかチェックできません。しかしながら、常に型名が必要なのではありません。型名を省略したほうが意図を伝えられる場合があります。具体的には、何のデータかではなく、何をしたいのかが重要な場合です。そういった場合に、熟慮して型推論を使用すると効果的です。考えないで乱用すると、コードが読みにくくなり、保守性が下がります。
 その他にも、他の.NET系言語との連携でも使用します。例えば、動的型システムを採用した言語のオブジェクトは、コンパイラに聞いた方がよいでしょう。

テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

VB文法リファレンス - ラムダ式の基本

概要
 メソッドをオブジェクトにします。

使用に適した状況
 大まかには3つの状況が考えられます。
  1. メソッドにある一定の共通パターンがあり、コードの量を減らしたい場合。
  2. 1つのメソッド内でしか使用しない、ヘルパーメソッドを定義したい場合。
  3. 関数型プログラミングをしたい場合。

サンプル

'----------------------------------------------------
' 
'  ラムダ式
'  
'----------------------------------------------------
Imports System
Class Sample

    '引数が一つのデリゲート
    Delegate Function One(ByVal value As Integer) As String

    Shared Sub Main()

        '変換関数の例
        Dim convert As One = Function(x) (x.ToString())
        Console.WriteLine(convert(1))

        '通常はこちらを使用
        Dim toStr As Func(Of Integer, String) = Function(x) (x.ToString())
        Console.WriteLine(toStr(1))

        '終了
        Console.ReadLine()

    End Sub

End Class

このサンプルはラムダ式の本質がわかりやすいように、自分でデリゲートを定義していますが、通常はライブラリに用意されているSystem.Funcを使用します。

文法
 「Function( パラメーター ) ( コード」の形式をしています。文法そのものは簡単ですが、使用したいラムダ式の形態により、複数の形式があります。この記事はその中で一番簡単な文法です。

解説
 本格的にプログラミングをしたことがある人ならば、少しだけ違う似たコードが大量にあることに気付くと思います。そして、その共通したコードを変数のように扱えれば、コードの量がかなり減らせると考えたことがあると思います。また、複雑なメソッドを実装する過程で、ヘルパーメソッドを定義し、特定のメソッドのためだけに定義したヘルパーメソッドを、他のメソッドから呼び出せることに気持ちの悪さを感じたことがあると思います。
 その要望をかなえるのがラムダ式です。ラムダ式は複雑な文法であり、色々な使い方があります。先ずは一番簡単なこの形式のラムダ式を覚えてください。そうすれば自ずと、自分が生み出すコードの贅肉部分が減ります。ラムダ式はコードを抽象化することにより、コードを簡潔にする文法だといえます。始この意味が分からないと思いますが、使っていると自然とわかってきます。

テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

C#文法リファレンス - ラムダ式の基本

概要
 メソッドをオブジェクトにします。

使用に適した状況
 大まかには3つの状況が考えられます。
  1. メソッドにある一定の共通パターンがあり、コードの量を減らしたい場合。
  2. 1つのメソッド内でしか使用しない、ヘルパーメソッドを定義したい場合。
  3. 関数型プログラミングをしたい場合。

サンプル

/*----------------------------------------------------
 * 
 *  ラムダ式
 *  
 ----------------------------------------------------*/
using System;
class Sample
{
    //引数が一つのデリゲート
    delegate string One( int value );

    static void Main()
    {
        //変換関数の例
        One convert = x => x.ToString();
        Console.WriteLine( convert( 1 ) );

        //通常はこちらを使用
        Func<int, string> toString = x => x.ToString( );
        Console.WriteLine( toString( 1 ) );

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}

このサンプルはラムダ式の本質がわかりやすいように、自分でデリゲートを定義していますが、通常はライブラリに用意されているSystem.Funcを使用します。

文法
 「( パラメーター ) => コード」の形式をしています。文法そのものは簡単ですが、使用したいラムダ式の形態により、複数の形式があります。この記事はその中で一番簡単な文法です。

解説
 本格的にプログラミングをしたことがある人ならば、少しだけ違う似たコードが大量にあることに気付くと思います。そして、その共通したコードを変数のように扱えれば、コードの量がかなり減らせると考えたことがあると思います。また、複雑なメソッドを実装する過程で、ヘルパーメソッドを定義し、特定のメソッドのためだけに定義したヘルパーメソッドを、他のメソッドから呼び出せることに気持ちの悪さを感じたことがあると思います。
 その要望をかなえるのがラムダ式です。ラムダ式は複雑な文法であり、色々な使い方があります。先ずは一番簡単なこの形式のラムダ式を覚えてください。そうすれば自ずと、自分が生み出すコードの贅肉部分が減ります。ラムダ式はコードを抽象化することにより、コードを簡潔にする文法だといえます。始この意味が分からないと思いますが、使っていると自然とわかってきます。

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ジャンル : コンピュータ

C#文法リファレンス - 名前付き引数

 拡張メソッドと初期化子の連携 で示した、パラメーターの名前を明記したいという考え方は、すごく一般的なものであり、実はC#の文法に用意されています。その名も名前付き引数です。
 名前付き引数を使用すると、特別な準備をしなくても、順序に関係なくパラメーターの名前と値を指定できます。別記事「拡張メソッドと初期化子の連携」のサンプルを、名前付き引数を使ったものに変更します。

/*----------------------------------------------------
 * 
 *  名前付き引数
 *  
 ----------------------------------------------------*/
using System;
using System.Collections.Generic;
using CollectionUtilitys;

namespace CollectionUtilitys
{
    static class ArrayUtility
    {
        public static void ForSet(
            this int[ ] data,
            int max,
            Action<int[ ], int> setAction )
        {
            for ( int i = 0 ; i < max ; ++i ) {
                setAction( data, i );
            }
        }

        public static void ForEach(
            this int[ ] data,
            Action<int> main, 
            Action last )
        {
            foreach ( int e in data ) {
                main( e );
            }
            last( );
        }

       //前処理がある場合はオーバーロードで対処
        public static void ForEach(
            this int[ ] data,
            Action first, 
            Action<int> main,
            Action last )
        {
            first();
            ArrayUtility.ForEach( data, main, last );
        }
    }
}

class Sample
{
    static void Main()
    {
       //前準備がないのに引数がわかりやすい
        int[ ] data = new int[ 10 ];
        data.ForSet( 
            max : 10, 
            setAction : ( e, i ) => e[ i ] = i );
        data.ForEach( 
            main : x => Console.Write( x + " " ),
            last : () => Console.WriteLine( )   
        );

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}

実にシンプルです。ただし、名前付き引数はその名の通り、引数の値を名前で指定するものであり、それ以上の事は期待したら駄目です。よく知られている手法である「パラメーターをオブジェクト化する手法」と同様の働きはしません。いろいろな事をしたければ、名前付き引数ではなく、素直にパラメーターをオブジェクト化しましょう。

テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

拡張メソッドと初期化子の連携

 拡張メソッドはプログラミングスタイルを変える の2個目のサンプルは読みにくいです。パラメーターに何を指定するべきなのかわかりません。パラメーターに指定するべき値を、わかりやすくするために活用できる文法は、オブジェクトと初期化子です。
文章ではわかりにくいので実例を掲載します。

/*----------------------------------------------------
 * 
 *  拡張メソッドと初期化子の連携
 *  
 ----------------------------------------------------*/
using System;
using System.Collections.Generic;
using CollectionUtilitys;

namespace CollectionUtilitys
{
    //各メソッドのパラメーター
    class ForSetParameter<T>
    {
        public int Max { get; set; }
        public Action< IList<T>, int> SetAction { get; set; }
    }
    class ForEachParameter<T>
    {
        public Action First { get; set; }
        public Action<T> Main { get; set; }
        public Action Last { get; set; }
    }

    static class ArrayUtility
    {
        public static void ForSet<T>(
            this IList<T> data,
            ForSetParameter<T> forInfo )
        {
            for ( int i = 0 ; i < forInfo.Max ; ++i ) {
                forInfo.SetAction( data, i );
            }
        }

        public static void ForEach<T>(
            this IEnumerable<T> data,
            ForEachParameter<T> process )
        {
            if ( process.First != null ) process.First( );
            foreach ( T e in data ) {
                process.Main( e );
            }
            if ( process.Last != null ) process.Last( );
        }
    }
}

class Sample
{
    static void Main()
    {
        //前よりも引数がわかりやすい
        int[ ] data = new int[ 10 ];
        data.ForSet( 
            new ForSetParameter<int> { 
                Max = 10, 
                SetAction = ( e, i ) => e[ i ] = i 
            }
        );
        data.ForEach(
            new ForEachParameter<int> {
                Main = x => Console.Write( x + " " ),
                Last = () => Console.WriteLine( )
            }
        );

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}

Mainメソッド内の使用する側のプログラムを見てください。パラメーターが分かりやすくなったので、前よりも読みやすくなっています。拡張メソッドと初期化子の見事な連携です(ジェネリックは本題ではないので今回は言及しません)。データと振る舞いを別に考える点が、オブジェクト指向プログラミングらしくないのですが、拡張メソッドの性質上仕方がありません。ときにはこうした搦め手も必要です。オブジェクト指向プログラミングだからと言って、違うパラダイムを使ってはならないという事はありません。ちゃんと考えて使えば大丈夫です。
 この例は、初期化子の違う側面を語っています。初期化子は使い方によっては、コードを読みやすくする効果を持っています。人間の言語と同じで、プログラミングの文法も連携してはじめて真価を発揮します。もちろんそれは、他の文法にも言える事です。今後こうした文法の応用技を解説していきます。色々な連携を考えてみて、より読みやすいプログラムを目指しましょう。

テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

拡張メソッドはプログラミングスタイルを変える

拡張メソッドの使い方が良くわからない人は、結構多いと思いますので、拡張メソッドの使用例を書きます。拡張メソッドは従来のプログラムの表現を変える力を持っています。それは、次の例を見れば感じると思います。

/*----------------------------------------------------
 * 
 *  拡張メソッドの応用
 *  
 ----------------------------------------------------*/
using System;
using CollectionUtilitys;

namespace CollectionUtilitys
{
    static class ArrayUtility
    {
        public static void ForEach(
            this int[] data,
            Action<int> codeBloc )
        {
            foreach ( int e in data ) {
                codeBloc( e );
            }
        }
    }
}

class Sample
{
    static void Main()
    {
        //データの準備
        int[] data = new int[ 10 ];
        for ( int i = 0 ; i < 10 ; i++ ) {
            data[ i ] = i;
        }

        //よく目にする書き方
        foreach( int e in data ) {
            Console.Write( e + " " );
        }
        Console.WriteLine( );

        //同じことを拡張メソッドとラムダ式で表現
        data.ForEach( x => Console.Write( x + " " ) );
        Console.WriteLine( );

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}

従来のプログラミングスタイルである、命令型プログラミングと違う表現になることが一目でわかると思います。このサンプルプログラムは、実際に.NETクラスライブラリに用意されているものを元に作りました。皆様が頻繁に使用するジェネリックなリストに、サンプルと同様の働きをするForEachメソッドがあります。
 どちらが見やすいのかは人それぞれですが、私個人の感想を言うと、オブジェクト指向らしい表現だと思います。何故ならば、オブジェクト指向はオブジェクトに注目するからです。細かいことを言うと、データ(プロパティ)と振る舞い(メソッド)を合わしたものがオブジェクトなのですが、思考の流れがスムーズになります。どちらがいいのかは一概に言えませんが、せっかく用意されている機能なのですから、両方使いこなせるようになった方が良いと思います。
 ちなみに、拡張メソッドをフル活用すれば、呼び出す側のコードをもっと短くできます。

/*----------------------------------------------------
 * 
 *  拡張メソッドの応用
 *  
 ----------------------------------------------------*/
using System;
using CollectionUtilitys;

namespace CollectionUtilitys
{
    static class ArrayUtility
    {
        public static void ForSet(
            this int[ ] data,
            int max,
            Action<int[ ], int> codeBloc )
        {
            for ( int i = 0 ; i < max ; ++i ) {
                codeBloc( data, i );
            }
        }

        public static void ForEach(
            this int[ ] data,
            Action<int> codeBloc, 
            Action last )
        {
            foreach ( int e in data ) {
                codeBloc( e );
            }
            last( );
        }
    }
}

class Sample
{
    static void Main()
    {
        //もっとシンプルに
        int[ ] data = new int[ 10 ];
        data.ForSet( 10, ( e, i ) => e[ i ] = i );
        data.ForEach( 
            x => Console.Write( x + " " ),
            () => Console.WriteLine( ) );

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}

やりすぎに注意しましょう。

テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

C#文法リファレンス - 匿名型

概要
 メソッド内でのみ使用する、データしか持たない単純で不変な型を簡潔な記述で生成します。

日常でたとえると
 誰が言ったのではなく、言った内容が大切だ。

使用に適した状況
 特定のメソッド内で、一時的に作成する必要がある、データしか持たない単純な型が必要な場合。

サンプル

/*----------------------------------------------------
 * 
 *  匿名型
 *  
 ----------------------------------------------------*/
using System;
class Sample
{
    static void Main()
    {
        //匿名型のインスタンスを生成
        var obj = new { Name = "山田太郎", ID = 10 };
        var obj1 = new { Name = "山田花子", ID = 20 };
        var obj2 = new { Name = "山田太郎", ID = 10 };
        var obj3 = new { Name = "山田次郎", ID = 10 };
        var obj4 = new { Name = "山田太郎", ID = 15 };

        //不変なので変更できない
        //obj.Name = "山田次郎";

        //等価性の判定もできる
        Console.WriteLine( "{0}と{1}は同じ? {2}", 
            obj, obj1, obj == obj1 );
        Console.WriteLine( "{0}と{1}は同じ? {2}",
            obj, obj2, obj == obj2 );
        Console.WriteLine( "{0}と{1}は同じ? {2}",
            obj, obj3, obj == obj3 );
        Console.WriteLine( "{0}と{1}は同じ? {2}",
            obj, obj4, obj == obj4 );

        //位置でも指定できる
        //※等価性の判定に注意
        string name = "山田太郎";
        int id = 15;
        var obj5 = new { name, id };
        //Console.WriteLine( "{0}と{1}は同じ? {2}",
        //    obj, obj5, obj == obj5 ); 

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}

文法
 匿名型は、New演算子と{}を使用して指定します。見た目は、型推論(ローカル型の推論)と初期化子を組み合わせたものです。しかし、プロパティの値を位置で指定できるところが違います。メソッドは指定できず、戻り値の型を匿名型にすることはできません。他にも細かい制限はありますが、一時的に使用するデータとして考えれば理解しやすいと思います。
 制限は厳しいものの、Equalsメソッドやプロパティのコードまでコンパイラが自動的に生成してくれます。

解説
 使用方法を詳しく説明します。他の方法を考えると、プライベート型を作成する方法もあります。しかし、特定のメソッド内でのみ使用する単純なオブジェクトを型として定義すると、複数のメソッドで使用する型なのか、特定のメソッド内のみ使用する型なのかが分かりません。その判別は一見どうでもよいことですが、複数のメンバーで大量のコードを保守する必要がある実務において、余計な型を定義すると混乱を生みます。特定のメソッド内でのみ使用しない単純なオブジェクトは、匿名型として扱うとよいでしょう。
 なお、匿名オブジェクトには、データとして考えるとよいと分かりやすいと思います。厳しい制限が気になるかもしれませんが、一時データとしてみると極めて自然な制限だと思います。

テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

C#文法リファレンス - 型推論(ローカル型推論)

概要
 型名を省略し、C#コンパイラに型を推測させます。

日常でたとえると
 1234といったら数字だとわかる。長い夫婦にもなると全て「あれ」と「それ」で通じてしまう。

使用に適した状況
 型に関心を持って欲しくない状況下が適しています。つまり、データではなく、何をしているのかを伝えたいときに使用するのが最適でしょう。面倒だから省略するという方針で乱用するのは避けるべきです。
 なお、匿名型はその性質上、型推論とセットで使用します。

サンプル

/*----------------------------------------------------
 * 
 *  型推論
 *  
 ----------------------------------------------------*/
using System;
using System.Collections.Generic;

class Foo { }
class TypeInference
{
    //フィールドは型推論出来ない
    //var obj;

    static void Main()
    {
        //値型を推論できる
        var i = 100;
        Console.WriteLine( "変数の型は" + i.GetType( ).Name );

        //参照型を認証できる
        var obj = new Foo( );
        Console.WriteLine( "変数の型は" + obj.GetType( ).Name );

        //ジェネリック型を推論できる
        var list = new List<int>( );

        //Null値を推論する事は出来ない
        //var x = null;

        //推論出来ないので必ず初期化しなければならない
        //var y;

        //ラムダ式には指定できない
        //var foo = str => Console.WriteLine(str);
        //Console.WriteLine( "変数の型は" + foo.GetType().Name );

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}


文法
 ローカル変数の時に型名を指定せず、varキーワードを記述します。

解説
 静的な型システムを採用したプログラミング言語において、オブジェクト指向プログラミングは基本的に型を重視します。型名が一目でわからないと、オブジェクト指向設計が正しく反映されていないかチェックできません。しかしながら、常に型名が必要なのではありません。型名を省略したほうが意図を伝えられる場合があります。具体的には、何のデータかではなく、何をしたいのかが重要な場合です。そういった場合に、熟慮して型推論を使用すると効果的です。考えないで乱用すると、コードが読みにくくなり、保守性が下がります。
 その他にも、他の.NET系言語との連携でも使用します。例えば、動的型システムを採用した言語のオブジェクトは、コンパイラに聞いた方がよいでしょう。

テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

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Author:インドリ
みなさん、はじめまして、
コンニチハ。

ボクは、無限の夢(infinity dream)を持つネタ好きな虹色の鳥インドリ(in dre)です。
色々な情報処理技術を啄ばむから楽しみにしてね。

http://twitter.com/indori
は別人による嫌がらせ行為です。
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