fc2ブログ

インクルードファイルの意味を考える

 初めてC言語でのプログラミングを学習した時、Hello worldプログラムを打ったという人が多いと思います。この方法は凄くよいと思うのですが、#include<stdio.h>が具体的に何をするのか、非常に気になりました。同じ事を感じた人も多いと思います。そこで今回はその件について書きます。
 先ずは、Hello worldプログラムに、#include<stdio.h>が絶対必要なのかと考え調べた結果、必ずしも必要ではありませんでした。
 次のプログラムでも実行出来ます。

int printf( const char * _Format, ...); 
int main() { return printf( "Hello world!\n" ); }

 わずか二行です。コンソール画面に「Hello world」と表示するぐらいならば、#includeは必要ありません。このプログラムはprintf関数の定義が必要なだけなので、printf関数を定義すればコンパイルできます。
※コンパイラはこの宣言文を使って、引数をチェックします。その為に、関数の引数の定義が必要となります。
 では、#includeとは何をするものなのでしょうか?それを知るには、#includeの意味をおさらいする必要があります。
 名著「S・P・ハービソン3世とG・L・スティール・ジュニアのCリファレンスマニュアル 」によると#includeは、指定されたソーステキストファイルの内容が、#include指令行の場所に現れたかのように処理するプリプロセッサです。この定義は分かり難いので、実際にプリプロセッサ適用後、ソースの内容がどのように変化するのかを見てみましょう。
 プリプロセッサ適用後の内容を見る方法は、コンパイラにより異なりますが、大概のコンパイラはコンパイルオプションを指定すれば、見る事が出来ます。例えば、VC++ならばPオプションを使用します。そして、GCCならば-save-tempsオプションを指定し、中間ファイルの保存を指示する事により、拡張子iのインクルードファイルを見る事が出来ます。
 このファイルを見ると、#includeが何をしているのか分かると思います。#includeプリプロセッサ指令文は、コンパイラがプログラムをチェックするために、関数の定義を展開しています。
 なお、#include<stdio.h>は必ずしも、stdio.hファイルを指しているとは限らない事に注意して下さい。C言語の規格では、#include<>が本当のファイル名を指している事を要請していません。処理系によっては違うかもしれません。
スポンサーサイト



テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

コメントの投稿

非公開コメント

用語の間違いについて

こんにちは。はじめまして。RiSKといいます。
気になったところをコメントします。

>このプログラムはprintf関数の定義が必要なだけなので、printf関数を定義すればコンパイルできます。

不正確な微妙な表現です。
というのは,確かにどこか(ソースなりライブラリなり)に「定義」は必要ですが,
int printf( const char * _Format, ...);
これは「定義」ではなくて「宣言」だからです。

Re: 用語の間違いについて

RSKさんこんにちは。
説明不足だったので加筆しました。

No title

初めて書きます。
少し違っている箇所があります。

> #include<stdio.h>が絶対必要なのかと考え調べた結果、必ずしも必要ではありませんでした。

これは意味が違います。
stdio.h のインクルードは必要です。
プログラマーが明示的にインクルードしなくても、
stdio.h だけは自動的にインクルードされるという仕様だったと記憶しています。
なので、printf のプロトタイプ宣言を自分で書く必要もありません。
実際、main()の一行だけで正常に動くはずです。

Re: No title

tsuruさんこんにちは。
コンパイラの説明なのでちょっと難しいですよね。
警告をエラーとして扱うにチェックすれば次の文が出てきます。
warning C4013: 関数 'printf' は定義されていません。int 型の値を返す外部関数と見なします。
とエラー一覧に表示されると思います。
この記事ではそのコンパイラのチェックの事を書いています。
プリプロセッサは何故に必要なのかという、コンパイラ的な話題なので、ご指摘と私が意図している内容とちょっと違うかな。

No title

確かに、僕が指摘している点と、論点がずれているかも知れませんね。

ちなみに、#include <stdio.h> を省略した場合、stdio.h だけは自動的にインクルードされるという話は、勘違いかも知れません。
プロフィール

インドリ

Author:インドリ
みなさん、はじめまして、
コンニチハ。

ボクは、無限の夢(infinity dream)を持つネタ好きな虹色の鳥インドリ(in dre)です。
色々な情報処理技術を啄ばむから楽しみにしてね。

http://twitter.com/indori
は別人による嫌がらせ行為です。
私とは関係ないので注意して下さい。
次はなりすましブログなどをするかもしれませんが、ここ以外でブログをするつもりがないので、ここ以外にインドリのブログがあったとしても無視してください。


何度言っても分からない人がいるので、ここにコメント欄へ書き込むときの注意事項を書きます。


一、社会人としてのマナーをわきまえましょう。
一、妄想に基づく書き込みを止めてください。
一、暴言の類は書かないで下さい。
一、某誹謗中傷サイトの書き込みは彼らの妄想に基づく書き込みですから無視して、ここへ書き込まないで下さい。
一、コメント書く前に他のコメントよく読んでから行って下さい。
一、言いがかかり等の行為を禁止します。
一、その他常識的に考えて迷惑なコメントはしないで下さい。


以上のルールを守れない人のコメントは削除します。



利用上の注意
ここに紹介してある文章およびプログラムコードは正確であるように心がけておりますが、内容を保証するものではありません。当サイトの内容によって生じた損害については、一切の責任を負いませんので御了承ください。


執筆したCodeZineの記事


【VB.NETで仮想CPUを作ろう】

  1. VB.NETで仮想CPUを作ろう
  2. レジスタの実装
  3. 仮想CPUのGUI化
  4. テストドライバの改良
  5. CPUの基礎動作の実装
  6. MOV命令の実装
  7. ADD命令実装
  8. SUB命令実装
  9. INC命令&DEC命令の実装と命令長
  10. MLU命令の実装とModR/Mについて
  11. DIV命令の実装とイベント設計について
  12. 機械語駆動式 関数電卓を作ろう!
  13. 機械語駆動式 関数電卓を作ろう! 解答編(前半)
  14. 機械語駆動式 関数電卓を作ろう! 解答編(後半)


【仮想ネットワーク実装でTCP/IPを学ぼう】
  1. TCP/IPの基礎と勘所
  2. ネットワークアクセス層の勘所
  3. インターネット層の勘所
  4. トランスポート層の勘所
  5. アプリケーション層の勘所
  6. セキュリティの基礎と仮想ネットワークの仕様
  7. GDI+と独自プロトコルの定義



【並列化】
インテル Parallel Studioを使って並列化プログラミングを試してみた
並列プログラミングの効率的なデバッグを実現する「Parallel Inspector」


【TBBシリーズ】
  1. インテル スレッディング・ビルディング・ブロックの概要
  2. インテルTBBから学ぶループの並列化
  3. スレッドセーフとインテルTBBのコンテナ
  4. インテルTBBのスレッドクラス


【OpenMPシリーズ】
  1. OpenMPの基礎構文
  2. OpenMPの実行時ライブラリと並列ループ
  3. OpenMPのメモリモデルとfork- joinモデル

最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
カテゴリ
Ada (9)
COBOL (5)
C (9)
C++ (11)
C# (370)
D (25)
Java (8)
Perl (1)
Ruby (14)
PHP (2)
Boo (2)
Cobra (2)
LISP (6)
F# (33)
HTML (0)
XHTML (0)
CSS (0)
XML (0)
XSLT (0)
Scala (4)
WPF (0)
WF (2)
WCF (0)
LINQ (4)
MONO (5)
Linux (0)
MySQL (0)
ブログ内検索
リンク
最近のトラックバック
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
FC2カウンター