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C言語のif文

 今回はC言語のif文を取り上げます。if文は単純な文ですが、落とし穴が存在します。落とし穴について記述する前に、if文についておさらいします。

#include <stdio.h>
int main()
{
    int i;
    i = 0;
    if ( i ) printf( "0 = true\n" );
    else printf( "0 = false\n" );
    i = 1;
    if ( i ) printf( "1 = true\n" );
    else printf( "1 = false\n" );
    i = -1;
    if ( i ) printf( "-1 = true\n" );
    else printf( "-1 = false\n" );

    return 0;
}

 C言語のif文は括弧内の式の値が0以外ならばthen節の文が実行されます。そして、括弧内の式の値が0で、else節があれば、else節の文が実行されます。
 従って、以下のプログラムは、else節がないので何の文も実行しません。

    i = 0;
    if ( i ) printf( "ここは表示されない\n" );

 では、次のサンプル「何が表示される?」を実行すると、何が表示されるでしょうか?実行する前に考えて下さい。

//何が表示される?
#include <stdio.h>
int main()
{
    int i;
    i = 0;
    if ( i != 0 )
        if ( i >= 0 ) printf( "iは0以上。\n" );
    else printf( "iは0\n" );

    return 0;
}

 答えは・・・何も表示されません。「iは0」と表示されると考えた人が多いと思いますが、elseは最も内側のif文に対応するので、式「if >= 0」の判定結果がelaseの場合に「iは0」と表示されます。このプログラムは意図通り動作しないのです。
 変数が0の時にメッセージを表示したい場合、サンプル「分かりやすい表示」で示す様に{}を付けます。

//分かりやすい表示
#include <stdio.h>
int main()
{
    int i;
    i = 0;
    if ( i != 0 ) {
        if ( i >= 0 ) printf( "iは0以上。\n" );
    } else printf( "iは0\n" );

    return 0;
}

 こうすれば「iは0」と表示されます。この教訓は、if文の入れ子がある場合、複合文を使用するべきです。{}をつけて、複合文にすれば誤読やミスを防げます。
 他にもif文の落とし穴は存在します。次のサンプル「落とし穴」もよくある間違いです。

//落とし穴
#include <stdio.h>
int main()
{
    int i;
    i = 1;
    printf( "変数i = %d\n", i );
    if ( i = 0 ) printf( "iは0\n" );
    else printf( "iは0ではない\n" );
    printf( "変数i = %d\n",  i);

    return 0;
}

 サンプル「落とし穴」は、if文の式でi == 0 とするべき所を、i = 0としているので、変数の値が変えられています。比較するつもりで変数の値を変えてしまえば、以前の値に関係なく何らかの値が代入されるので、予期せぬバグが発生します。
 これを避ける方法は、2つあります。1つめは、コンパイラオプションを指定して、警告をエラーとして扱う方法です。2つめは、比較値を左( if ( 0 = i ) printf( "iは0\n" );)にして、=を使うとコンパイルエラーを発生させる方法です。
 if文の様に、単純な構文でもバグは潜んでいます。十分に注意しましょう。
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テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

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