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アジャイル開発と契約9

 この記事はアジャイル開発と契約8の続きです。前回は、品質保証のうちの1つである、性能保証の概要について記述しました。今回は、性能保証とアジャイル開発について、詳細に記述します。
 日本の企業は責任を避ける傾向があり、今まで性能保証についてはおざなりにされていました。しかしながら、これからは、そんな事を言っていれば倒産するでしょう。というのも、大概の会社は、普通のシステムならば、既に導入済みだからです。また、同じ性能ならば、人件費が安い海外企業に勝てる筈がありません。性能に注目し、契約前から自社の製品をアピールしなくてはなりません。
 性能を追求する場合、ウォーターフォール開発モデルよりもアジャイル開発が有利です。何故ならば、性能向上のキーは現場に存在するからです。プログラミングを知らない人が、性能について考えられる筈がありません。しかし、一言で性能といってもその意味は様々です。ですから、結局のところお客様が価値を判断するしかありません。お客様の要望を聞くのは、上流工程の人で、プログラマには届いておりません。すなわち、性能品質は全行程が共有するべきものなのです。
 ウォーターフォール開発モデルで開発をすると、各工程が持つ知識と技術が分断され、性能に関する情報もまちまちで、統一見解が存在しなくなります。その様な状態で、お客様が満足する性能のシステムが作れる筈がありません。アジャイル開発を採用し、各工程の担当者とお客様がコミュニケーションをとりながら、適切な性能のシステムを開発しなければなりません
 性能をコントロールする上で、気をつけなければならない事があります。それは、技術の追求をしても駄目、過剰装飾しても駄目だという事です。下流工程の人々は職人なので、日頃技術を追求しています。しかしながら、お客様が求めるシステムは、技術の先にあるとは限らないのです。システムは、実状に合ったものでなくてはなりません。システムは服と同じで、サイズが合わないシステムを導入すれば無理が生じます。一方、上流層の人々は、書類やプレゼンテーションに凝る傾向があります。しかし、過剰なアピールは、現実との乖離を生み、不信感とトラブルを生みます。あくまでも、お客様にあったシステムを、ありのまま提案しなければなりません。

続く・・・
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テーマ : ソフトウェア開発
ジャンル : コンピュータ

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