実践的オブジェクト指向分析入門39
オブジェクト間の制約が識別したあとは、機能モデルの構築の最終段階である最適化基準の指定を行います。最適化基準の指定では、システムの機能要件の基準値を決定します。システムには、1時間で処理できるトランザクションの数、セキュリティの強固さ、レスポンスの早さなど色々な機能要件があります。従って、これらの機能要件をはっきりさせるために、基準値を定める事は非常に重要です。
しかしながら、機能要件の基準値を決定は困難です。そこで、機能モデルの構築作業で現状のシステムを分析し、新システムのために具体的な値を測定します。そして、測定結果を元に、ユーザーが求める基準値を割り出します。ただし、数値化できない人間の感覚的なものは依然として残りますし、システムの後工程で変更される可能性が高いのを忘れてはなりません。
何でも数値化する事を目標とするのではなく、柔軟な態度でユーザーの要望を引き出し、開発作業の基準を割り出すために最適化基準の指定を行います。