実践的オブジェクト指向設計入門14
前回少し触れましたが、補助オブジェクト(ヘルパークラス)を使用する場合もあり得ます。オブジェクト指向設計の基本は、ある一定の抽象度を保つ事です。しかしながら、操作が余りにも複雑になる場合、内部クラスを設計し、操作の複雑さを軽減する必要があります。
一般的にヘルパークラスと呼ばれる内部クラスは、クラスの内部で定義するクラスを指します。ここに重要な要素が含まれています。オブジェクト指向の原則は、情報の隠蔽です。従って、オブジェクトを使用する者にとって不必要な複雑さを閉じ込めるために、内部クラスとして定義して隠蔽するのです。
内部楽巣を考える時によくある間違いは、実装面まで踏み込んでしまう事です。今まで何度も指摘してきましたが、設計と実装を混同してはなりません。設計のオブジェクトと実装のオブジェクトは、扱う抽象度が違うのです。全くの別物だと言ってもいいぐらいです。しつこいようですが、重要なので決して忘れないでください。