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初心者のためのC#プログラミング本格入門76 - 境界値のチェック

 この記事は、初心者のためのC#プログラミング本格入門75の続きです。前回は、新しいデバッグ機能と新しい文法である短絡評価を解説しました。今回は、テストデータに境界値(最大値、最小値など)を使ったデバッグ技法について解説します。
 以前、最大値・最小値・平均値・などの特徴ある値を、テストデータに含めるべきだと解説しました。今回はその値を使います。先ずはデバッグ実行してみて下さい。そうすると、-2147483648 + -2147483647 が正しく計算されていない事が分かります。
 ここで考えられる原因は、最小値が解析できていない事です。プログラミングによくあるバグは、最大値や最小値と言った境界値を適切に処理できていないというものです。従って、-2147483648を正しく解析できていないと推理できます。
 バグの原因を推理したら直ぐに検証するためにテストを作り実行します。

class AnalyzerTest
{
    //関係のないコードは省略・・・
    
    //テストを忘れずに追加
    public void ExecuteAllTest()
    {
        this.MinusValueCheck();
        this.MinusValueLimitCheck();
    }

    //マイナス値が正しく解析できているかチェック
    public void MinusValueLimitCheck()
    {
        string value = int.MinValue.ToString();
        this.target = new Analyzer();
        this.target.AnalyzeExpression( value );
        if ( this.target.Values[ 0 ].ToString() 
            != int.MinValue.ToString() )
        {
            System.Console.WriteLine(
                int.MinValue + "を解析できませんでした。" );
        }
    }
}

テストを実行すると、案の定エラーメッセージが表示されます。という事はやはり、マイナス値を解析できていないという事になります。
 さて、マイナス値を解析できない理由は何でしょうか?文字列が解析できていない?それはないでしょう。この様な場合、真っ先に疑うのは使用している型です。以前解説したように、数値を表すオブジェクトにも色々あります。また、それらのオブジェクトは、保持できる値の範囲に限界があります。数学で扱う数は無限であり、範囲があるというのはちょっと腑に落ちないと思いますが、コンピューターは2進数で動いているので、どうしても扱える数値に範囲が出来てしまうのです。従って、int型の最小値を表現するには、より範囲が広い数値オブジェクトを使うしかありません。※一応他にも手段はあるものの、初心者にもできる簡単な方法を書いています。
 今使用している数値オブジェクトはfloat型です。これよりも範囲が広い数値オブジェクトはdouble型です。という事は、計算と値の格納に関わる全てのfloat型をdouble型に変更しなくてはなりません。これを一々目視で行えば大変なので、開発ソフトの機能「検索と置換」を使用します。メニューの「編集」→「検索と置換」をクリックしてみましょう。
 検索と置換ダイアログボックスは、検索する文字列と、置換後の文字列(変えた後の文字列)を入力できます。このダイアログボックスで、検索文字列として「float」、置換後の文字列として「double」を入力して下さい。さらに、検索対象を「現在のプロジェクト」に変更して下さい。これで準備はOKです。あとは、置換をクリックしていくだけです。置換はAltキーとRキーを同時押しするとやりやすいです。コードをよく確認しながら、「検索の開始位置に達しました」と表示されるまで続けて下さい。表示されたらダイアログボックスを閉じて下さい。
 デバッグ実行をして下さい。これで最小値に関するエラーが表示されなくなりました。なお、テストにて、文字列で値を比較している理由は、値が丸められて「-2147483648」を比較できないからです。両方の-2147483648が切り上げられて、共に-214748365になってしまい意図された結果ではなくなってしまいます。より正確に言うと、-2147483647も-214748365へと四捨五入されるので厳密な比較が出来ません。正確な知識があれば文字列で比較しなくてもよいのですが、それを簡潔に解説するために文字列にしています。
 プログラミングでは、数値の切り上げや切り捨てを含めて数値を丸めるだとか端数処理と表現します。端数処理によるエラーは意外と多いので、この様なテストが必要です。
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テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

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