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初心者のためのC#プログラミング本格入門80 - オブジェクト指向プログラミング最後の要素「多態性」を知ろう。

 この記事は、初心者のためのC#プログラミング本格入門79の続きです。前回は、継承について解説しました。今回は、オブジェクト指向プログラミングの効果を示します。
 前回、共通の性質を持つ親オブジェクトを定義して、複数の子オブジェクトにプロパティを追加しました。これは、あるオブジェクトの定義をベースとして、そのオブジェクトの機能を拡張する、新しいオブジェクトを定義した事を意味します。これにより、同じプログラムを書く作業から解放されます。しかしながら、こうしたオブジェクト指向プログラミングの機能は、プログラムを書く労力を減らすだけではありません。オブジェクト指向プログラミングを行うと幅が広がります
 初心者の方は、現時点でオブジェクト指向プログラミングというものが何なのか分からないと思います。ですが実のところ、何度もオブジェクト指向プログラミングを行っています。今まで何度も書いたプロパティは、カプセル化というオブジェクト指向プログラミングの概念を実現したものです。また、前回紹介した継承もオブジェクト指向プログラミングの概念です。オブジェクト指向プログラミングには、もうひとつ多態性という概念が存在します。文章では分かり難いのでプログラムを見てみましょう。

class TestProgram
{
    static int errorCount;
    static int testCount;

    static void Main()
    {
        //全てのテストを実行する
        Test[] tests = new Test[] { 
            new AnalyzerTest(), 
            new MultiAnalyzerTest() };
        foreach ( Test t in tests )
        {
            ExecuteTest( t );
            System.Console.WriteLine();
        }

        //テストに関する情報を表示
        System.Console.WriteLine("***** エラー件数:" 
            + errorCount + " *****");
        System.Console.WriteLine( "***** テスト件数:"
            + testCount + " *****" );

        //デバッグ実行しやすいようにする
        System.Console.WriteLine();
        System.Console.WriteLine(
            "Enterキーを押すと終了します。");
        System.Console.ReadLine();
    }

    static void ExecuteTest( Test obj )
    {
        obj.ExecuteAllTest();
        testCount += obj.TestCount;
        errorCount += obj.ErrorCount;
    }
}

このプログラムの内容は前回と同じです。内容は同じですが、テスト対象が増えた時、新しいテストオブジェクトを配列に追加するだけになり、追加しやすいプログラムになっています。ただし、多態性という概念を使用していますので、現時点ではデバッグ実行できません。これからデバッグ実行できるように、プログラムを修正していきます。
 始めに問題になるのは、親オブジェクトであるTestがExecuteAllTestメソッドを持っていない事です。ならば追加しましょう。

//テストオブジェクトに共通した定義
class Test
{
    //他のプログラムは省略

    //全てのテストを実行する
    abstract public void ExecuteAllTest();
}

abstractキーワードが気になると思います。これについては、メソッドの中身が無い事を示していると考えてください。Testオブジェクトは何のテストを実行するのか分かりませんから、メソッド内のプログラムを書けません。ですから何も書けません。そこで、C#に中身が無いメソッドを書く事を知らせているのです。このプログラムを書くと、2つの警告と1つのエラーが発生します。
 エラーは・・・

'Test.ExecuteAllTest()' は抽象ですが、非抽象クラスの 'Test' に含まれています

となっています。これは、C#が「ExecuteAllTestメソッドの中身が無いけど、Testはインスタンスを作れる。どうする?」と言っています。つまり・・・

//こうされたらどうするの?
Test t = new Test();
t.ExecuteAllTest();

このプログラムは、メソッドの中身がないから実行できません。これでは困るのではないかとC#は事前に言ってくれているわけです。
 ここで今回のTestオブジェクトのインスタンスを、作る意味を考えてみましょう。Testオブジェクトは、テストの共通定義だけを表したオブジェクトです。ですから、Testオブジェクト自身は何も実行できません。いや、何のテストでもないので実行したくないと言った方が適切です。ならば、それを素直にC#に伝えましょう。

//インスタンスを作れないオブジェクト
abstract class Test
{
}

classキーワードの前にabstractキーワードをつけて、インスタンスを作れないオブジェクトである事をC#に伝えます。
 いいところですが、長くなったので次回へ続きます。
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テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

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