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初心者のためのC#プログラミング本格入門89 - ミスを防ぐ仕組みを考えよう

 この記事は、初心者のためのC#プログラミング本格入門88の続きです。前回は、テスト駆動の概念を少しだけ解説しました。今回はプログラミングのミスを軽減する方法について解説します。
 前回から引き続きOneElementAddテストの作成を続けます。このテストの内容が決まったのでそれを反映します。

//※今回の話題と関係がないプログラムは省略
lass SimpleListTest : Test
{
    public void OneElementAdd()
    {
        //テキトーに要素を追加して確認してみよう
        this.target = new SimpleList();
        int value = 10;
        this.target.Add( value );
        if ( this.target.Count != 1 )
        {
            System.Console.WriteLine( 
                "要素追加後の要素数が間違っています。" + 
                "追加処理が正しく行われていません。" +
                "予想値:{0} 返却値:{1}",
                1, this.target.Count);
        }
    }
}

//こちらを忘れずに
class TestProgram
{
    static int errorCount;
    static int testCount;

    static void Main()
    {
        //全てのテストを実行する
        Test[] tests = new Test[] { 
            new AnalyzerTest(), 
            new MultiAnalyzerTest(),
            new SimpleListTest() //新しいテストを指定
        };
        foreach ( Test t in tests )
        {
            ExecuteTest( t );
            System.Console.WriteLine();
        }

        //テストに関する情報を表示
        System.Console.WriteLine("***** エラー件数:" 
            + errorCount + " *****");
        System.Console.WriteLine( "***** テスト件数:"
            + testCount + " *****" );

        //デバッグ実行しやすいようにする
        System.Console.WriteLine();
        System.Console.WriteLine(
            "Enterキーを押すと終了します。");
        System.Console.ReadLine();
    }
}

テストを実行すると、まだ実装をしていないのでテストが失敗します。これはいいのですが、1つ問題があります。それは、テスト数とエラー数のカウントを忘れている事です。人間はミスをおかす生き物です。ミスを否定するのではなく、ミスが起こらない仕組みを考えるのが、プログラミング上達の道です。想定外では済まされません。
 オブジェクト指向プログラミングの機能が、この様なミスを防ぐのに役立ちます。具体的には、親オブジェクトに便利な機能を追加し、子オブジェクトでその機能を使用する方式にします。

//テストオブジェクトに共通した定義
abstract class Test
{
    //テストの共通処理
    protected void Execute()
    {
        ++this.testCount;
    }

    //エラー処理
    protected void Error( string message )
    {
        ++this.errorCount;
        System.Console.WriteLine( message );
    }
}

class SimpleListTest : Test
{
    public void OneElementAdd()
    {
        //テキトーに要素を追加して確認してみよう
        base.Execute();
        this.target = new SimpleList();
        int value = 10;
        this.target.Add( value );
        if ( this.target.Count != 1 )
        {
            string message =
                "要素追加後の要素数が間違っています。" +
                "追加処理が正しく行われていません。" +
                "予想値:1 返却値: " + 
                this.target.Count;
            base.Error( message );
        }
    }
}

こうすれば、「テストの件数を数える」、「エラー件数を数える」などといった本筋とは関係がない処理を気にせずに済みます。また、機能の拡張や変更をやりやすくなります。なお、baseキーワードは、親オブジェクトを参照するためのものです。このサンプルでは、親オブジェクトが持つメソッドを呼び出しています。
 機能の拡張や変更というのは、プログラムをあまり変更することなく、テスト機能を拡張するために準備処理を追加したり、エラーメッセージをファイルへ出力するように変更したりする事を指しています。またひとつ、オブジェクト指向プログラミングの便利さが分かってもらえたと思います。
 察しがよい人は気付いたと思いますが、現状でも不十分です。例えば、Executeの呼び出しを忘れてしまうかもしれません。もちろん対策法があるのですが、ちょっと難しいので今回は紹介しません。今のところ、TestオブジェクトのTestCount変数と、errorCount変数のアクセス修飾子を、protectedからprivateに変更して下さい。そうすると、「'Test.errorCount' はアクセスできない保護レベルになっています。」とエラーメッセージが表示されるので、OneElementAddを参考にプログラムを修正して下さい。続く...
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