実践的オブジェクト指向設計入門22
オブジェクト指向設計が進んでくると、操作やオブジェクトが複雑化してきます。そこで、継承関係が無いのかチェックします。ある程度の規模のシステムとなると、オブジェクトの数は膨大となります。膨大なオブジェクトは、設計の理解を困難にし、あらゆる作業に悪影響を与えます。従って、継承による設計の簡素化が重要となるのです。
オブジェクト指向方法論OMTでは、設計を簡素化するために、継承の検討が提唱されていますが、それと同時に 注意もされています。継承はカプセル化の原則を崩します。無理な継承関係は、余計にシステムを複雑化してしまいます。ですから、継承だけではなく、委譲も視野に入れて設計のリファクタリングを行いましょう。
ただし、継承と言っても実装の継承とインタフェースの継承がある点に注意して下さい。プログラムの量を減らす事だけを考えて設計しても、オブジェクトの構造が複雑化し、余計に実装を困難にします。インタフェースの継承を賢く活用しましょう。