実践的オブジェクト指向設計入門26
いよいよ、オブジェクト指向設計の最後の作業です。今まで設計で様々な決定を下してきました。それらの決定を文書化する必要があります。システムは終わりがありません。後でシステムをバージョンアップする場合や、開発の途中で仕様が変更される場合すらあります。そうした状況が起こることを前提に、担当者が変わっても今までの流れがわかる状態にせねばならないのです。そのために文章を清書します。
ただし注意するべき事があります。それは、下書きは他の作業と並行するのが前提である事です。いきなり全てを文章化しようとしても上手くいきません。全ての決定事項を、詳細かつ正確に覚えていられないでしょう。しかしながら、文書化という手段を目的にしてしまう人が居ます。こうした過ちは人間ならば誰しもする可能性があります。文書化はあくまでも手段であって目的ではありません。十分に注意しましょう。
以上でオブジェクト思考法論OMTにおける、オブジェクト指向設計は終わりです。世の中にはほかにも方法論がありますし、物事は教科書通りに進みません。オブジェクト指向方法論OMTを学び、その知識を応用しましょう。そうすれば、システムの品質は飛躍的に上がるでしょう。この連載を読んでくれた方のご活躍を心から願っています。終わり。