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オブジェクト指向の本質

 オブジェクト指向といえば、情報の隠蔽、継承、多態性が有名です。この言葉を知っている人は多いと思います。しかしながら、この3つの言葉の意味を本当の意味で理解している人が少ないと思います。そこで今回はオブジェクト指向の本質について書くことにしました。
 初めに言っておかねばならないことは、オブジェクト指向とは分析(OOA)・設計(OOD)・実装(OOP)の3つの事を考えねばならないという点です。オブジェクト指向はソフトウェア工学のあらゆる領域にまで発展しており、この3つのOOXがあることを念頭に置かねば足りません。さらに、OOA/OOD/OOP(OOX)はいくつも亜流があります。
 提唱者は同時に定義することが多いので、OOAとOODは大概手法が重なっています。それら方法論の中で有名なのは、リカーシブ開発、Booch手法、Coad/Yourdon手法、Texel手法、OMT、SOMA手法、OOSD、OOSE、MERODE手法、SSADMです。私は一応、これら手法に目を通しました。これら方法論の違いは、開発で起こる現象をどのようにしてとらえるのかという点にあります。共通点は分析・設計・実装の流れをスムーズにすることです。オブジェクト指向よりも前に使われていた構造化設計法は、この視点が不足していました。誤解されやすいのですが、オブジェクト指向方法論は、構造化設計技法の知識を前提としています。構造化設計技法を知らないと真に理解できません。また、実際にシステム開発をするときはアジャイル開発の手法とセットで使います。オブジェクト指向方法論は閉じたものではないのです。
 OOPにおいても、特定の言語だけのものではありません。よく見られる間違いは、C++などの特定言語のOOPに思考が縛られる事です。OOPを真に理解するには、少なくとも命令型、関数型、論理型、集合型、宣言型、の各種言語に触れる必要がありますし、さらに静的な型と動的な型によるOOPを経験せねばなりません。これらのOOPを経験して分かったことは、状態と抽象化と制御がOOPの核だといえるということです。
 オブジェクト指向を言語モデルとして考えたとき、キーとなるのは状態の変化です。OOPをする時点で、状態の変化が伴います。何故ならばOOPは、状態ありの計算モデルだからです。
 状態をどのようにして扱うのかという点で、OOPは役立ちます。モジュール性はOOPでなくともありますが、OOPはそれをさらに進めて、ある程度統一した方法でデータの抽象化とプロセスの抽象化を統一化します。さらに、情報の隠蔽の考えを適用し、スコープの範囲を制御します。これにより、変化に強いプログラミングが可能となります。
 もうお分かりになったと思いますが、情報の隠蔽・継承・多態性の3原則は、変化に対処するための概念です。すなわち、あらゆる変化をいかにして扱うのかというのがテーマであり、オブジェクト指向の本質なのです。情報の隠蔽により変化がもたらす影響範囲を狭め、継承により拡張性をもたらし、多態性によりバリエーションと統一性を実現します。
 オブジェクト指向の本質は変化への対処です。オブジェクト指向にある多種多様な概念に触れ、変化に対処する術を学びましょう。そうすれば、きっと優れた開発者になれるでしょう。
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テーマ : ソフトウェア開発
ジャンル : コンピュータ

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