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ネタつつき150 - マイナンバー制度で考えるシステム導入失敗要因

 皆様はマイナンバー制度というものをご存知でしょうか。マイナンバー制度とは、国民に共通番号を割り振り、行政システムを効率化するという趣旨のものです。このシステムの狙いは、社会保障と税金を公平化するというものらしいです。この制度の趣旨そのものは素晴らしいものですが、これは典型的なシステム導入失敗例になるでしょう。
 システムの導入が失敗する事例には共通点があります。それらマイナンバー制度はそれらすべてを兼ね揃えています。今回はマイナンバー制度を例に、システム導入がどのようにして失敗するのかについて書きます。
 第1の失敗要因は、費用対効果を分析していない事です。これは民間でもよく見られる光景ですが、システムの目的だけに目が行き、必要な費用と経済効果を冷静に見積もっているとは思えません。マイナンバー制度に必要なシステムは、兆単位のお金が必要となります。また毎年多額のランニングコスト(おそらく数百億円~数千億円)がかかります。一度動き出したら止められないシステムでしょうから、湯水のようにお金が消えてしまいます。その莫大な金額に見合う効果があるとは、とてもじゃないけど思えません。ただでさえ、借金まみれの政府がこのような莫大な費用が必要になるシステムを構築しても、いたずらに財政を圧迫させるだけです。かけたコストの10倍は儲からないと、システム導入の意味があるとは言えませんが、それだけの利益を生むとは思えません。
 第2の失敗要因は、セキュリティ対策を含む運営体制が十分に考えられていない事です。セキュリティというものは一番弱いところが攻撃されます。マイナンバー制度は全国レベルの超巨大システムですから、それにふさわしいセキュリティ対策が必要です。全国レベルのシステムを、24時間365日体制で守れるほど、日本政府はセキュリティレベルが高いとは思えません。人員が足りませんし、残念ながらセキュリティ意識が低いです。セキュリティは内外ともに守らないと駄目ですが、身内に甘いと指摘されている行政は、相応しいセキュリティ体制を取れると思えません。マイナンバー制度よりも規模が小さい年金システムさえも運営に失敗し、いまだに解決できていません。システムの運営能力を考えると、これほど複雑なシステムを守っていける運営能力があるとは思えません。むろんこれは民間企業にもみられる現象です。セキュリティは困難であり、お人よしだとか安全意識が薄いと言われる日本人のセキュリティ意識では、このように巨大な規模のシステムを守る能力がありません。
 第3の失敗要因は、犯罪リスクが考慮されていない事です。どれだけセキュリティを完璧にしようとしても、破られる時があります。また、どれだけ慎重に運営しても、運営に失敗するときが必ずあります。原発のときのように絶対安全神話で物事を考えてはなりません。犯罪が成功することを前提としてシステムを考えねばなりません。犯罪が成功した時の国民の被害は莫大なものになります。それに見合う利益がありませんし、犯罪被害をどのように軽減するのかとか、その後の体制をどのようにするのかなど、リスク管理を考えねばなりません。しかしながら、マイナンバー制度はそこまで考えられているとは思えません。もしかんがえていたら、システムを導入する価値がないと判断するでしょう。これも民間企業にもありがちな過ちです。システムが便利そうだからと言って、負の側面を考えずに導入し、あとで莫大な損害を被り手に負えなくなります。
 誤解してはならないのは、この手の失敗システムが導入される一番の要因は、過剰な要求にあるという事です。日本政府も要求があるからこそマイナンバー制度を考えたのでしょう。しかしながら、そのような巨大システムは魅力的ですが、求められる金額・犯罪リスク・運営能力・セキュリティレベルなどの要件が高くなります。要求する我々国民側にも責任があります。システムに過剰な要求をせず、自分の身の丈にあったシステムを適切に導入しましょう。そうすれば、システムの導入で失敗する確率を減らせます。
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