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C#文法リファレンス - 拡張メソッド

概要
 継承を使わず、既存のオブジェクトに振る舞い(メソッド)を追加します。言い換えると、既存オブジェクトを拡張しているといえます。

日常でたとえると
 スポーツマンは、普通の人ができる以上の動作ができる。

使用に適した状況
 無暗にオブジェクトの数を増やさず、既存オブジェクトに対して、特定の問題領域(ドメイン)内のみ有効な振る舞いを追加したい。もしくは、既存の型が継承不可になっているとき、どうしても型の振る舞いを増やしたい。ただし、継承不可のオブジェクトの振る舞いを追加したい場合は、合成オブジェクトやデザインパターンを使用したほうが良いと思います。

サンプル

/*----------------------------------------------------
 * 
 *  拡張メソッド
 *  
 ----------------------------------------------------*/
using System;
using Data;
using Service; //ドメインを指定

namespace Data
{
    class Customer
    {
        private int _id;
        public int ID { get { return this._id; } }
        private string _name;
        public string Name { get { return this._name; } }

        public Customer( int id, string name )
        {
            this._id = id;
            this._name = name;
        }
    }
}

namespace Service
{
    //拡張メソッドは静的クラスでしか定義できない
    static class Sales
    {
        //拡張メソッド
        //※必ず静的メソッドにする
        public static double GetSpecialPrice( this Customer c, int basePrice )
        {
            return basePrice * 0.8;
        }
    }
}

class Appli
{
    static void Main( string[ ] args )
    {
        Data.Customer obj = new Data.Customer( 100, "山田商事" );
        int price = 100;
        Console.WriteLine( 
            "{0}様のご購入金額は{1}万円( 基本価格{2}万円 )です。",
            obj.Name, obj.GetSpecialPrice( price ), price );
    }
}


文法
 静的クラスを用意し、静的メソッドのパラメーターにthisキーワードをつけて指定します。thisキーワードをつける場所は対象となる型の前です。thisキーワードをつける型は、最初に指定します。
 これは文法の条件ではないのですが、拡張メソッドの使用を意識的に選択できるようにするために、名前空間との併用が望ましいと思われます。プログラマーが意識することなく拡張メソッドが適用されてしまうと、自分が定義した覚えのないメソッドがあることから混乱が生じる恐れがあります。メソッドのオーバーロードと絡むと、コンパイラが選択するメソッドのルールが複雑化します。

解説
 例えば、顧客データの様なオブジェクトは、各部門別が違う用途に使用します。この様な使いまわすオブジェクトを表現するために、子オブジェクトを定義する方法を採ると、オブジェクトの数が無暗に増え、保守性低下などの悪影響を及ぼします。また結果として、システムの拡張が妨げられます。
 この現象を避ける方法のうちの1つが拡張メソッドです。上手く拡張メソッドを使用すれば、効果が薄い子オブジェクトの増殖を減らせます。ただし、あまりにも特殊な動作をするオブジェクトを定義したい場合は、素直に継承を使用したほうが良いでしょう。
 拡張メソッドのお手本はLINQです。LINQで使用されているオブジェクトを調べると、拡張メソッドの上手な使い方が学べます。
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