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中の人の徒然草452  思考の罠

 ここ一週間考えたことを書きます。1週間で考えたことは、仕事の事を除くと、人間の思考に潜む罠についてです。
 私は以前の日記に、カントールの鳩ノ巣論法論法は、無限集合を有限空間(有界区間)に写像した時の振る舞いではないかと書きました。これが思考の罠だと思います。鳩ノ巣論法は無限に考えているように見えますが、私には有限空間の連続に見えます。何故ならば、情報技術でいうところの、インスタンスを使って対象を考えているように見えるからです。
 私が思うに鳩ノ巣論法は、数学的帰納法法の応用です。無限を数えるには、自然数を使って、1対1対応せねばならないのは自明です。それで、斜めに1対1対応を考えていくわけですが、無限を数学的帰納法で表現するために、個々の数値(インスタンス)で考えています。例えば、実数が非可算であることを証明するために、a1 = 0.a11a12a13..a2 = 0.a21a22a23…の桁数を変えながら思考していきます。これは数学的帰納法の考えに適合しているので、数学者にとっては真に正しい発想なのでしょう。
 しかし私は情報技術者なので、情報の型で無限の量を推し測ろうと考えます。自然数型Nと有理数型Qを考えると、有理数型Qの情報形式は N / N であり、Nのペアに見えます。実際、Nはx / 1 に写像できるので、QをNの数だけ直和分割できます。もし、自然数と有理数が同じ量であるならば、直和分割できないはずです。同量とすると、これは明らかに矛盾しています。カントールが本当に導き出したことは、「無限集合を数える」ことであり、数えられる(可算)だから自然数と同数というのは、違うと思います。カントールの理論は完成しておらず、可算無限集合に関する理論は途中のものなのでしょう。彼がもしもっと長生きしていれば、「可算無限集合」にも色々な種類があると論理が発展したと思います。
 この結論の差は、インスタンス(個々の数値の対応:量)で思考するのかと、無限集合全体(情報の形式:性質)で考えるのかの違いです。数学的帰納法は無限個のものを証明出る強力な思考法ですが、1ステップごとは有限の空間で論が展開します。なので、無限を相手にするのにふさわしい道具ではないと思います。これが人間ならば誰しもしてしまう、思考の罠だと思います。
 何かものを考える方法を大別すると、個別ケースを考えていく方法と、全体像をとらえて考える方法があります。この2つの方法はともに一長一短があります。この別ケースを考えていく方法の弱点は、個々のものを組み立てても、全体像と乖離する場合があることです。一方、全体像をとらえて考える方法の弱点は、個別ケースにマッチしない場合があり得る事です。
 そういった塾点がある理由は、人間の思考の有限性が原因だと思います。人間は高度な知能を持っていますが、一度に対象を分析できません。従って、対象を細かく分けるか、対象の形を見るかの二択をする必要があるのですが、そこに人間の限界があります。細かく対象を分けると、真理の破片が出てしまいまいます。何故ならば、人間の知性は有限であり、完璧に物事を分ける事は不可能だからです。絶対に割り切れない真理が生じてしまいます。また、細かく分けると、その分けたものの関係を考える必要性が生じ、そこでもまた、人間の有限性により、完璧な分析ができません。そういった誤差が積み重なり、完璧な真実にたどり着けません。人間ができる事は、誤差を減らすことです。対象の全体像(形)を分析する場合においても、その対象は大いなる自然界の一部なので、対象を捉えた時点で、対象を切り取ったことになり、同様の誤差が生じます。従って、これまた完璧な真実にたどり着けません。
 念のために書きますが、だからと言って悲観することはありません。誤差を限りなく0にしていく行為は非常に崇高な行為です。人間の力は有限ですが、有限の力を精一杯発揮する行為こそが人生そのものであり、生きている証拠なのです。人間の無知さ、能力の足りなさ、などの有限性を卑下するのではなく、思考放棄するわけでもなく、人間の性質をよく把握して、罠にはまらないようにするのが大切だと思います。
 人間がする思考には必ず罠がある。それを常に意識するのが大切だと私は考えています。
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