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計算機の基本原理を味わおう6 - 比較移動命令を実装してみよう

 この記事は、計算機の基本原理を味わおう5 - 2進数に慣れようの続きです。前回は、2進数について解説しました。今回は、最小計算機唯一の機械語である比較移動命令の実装を行います。
 CPUは機械語命令がないと何もできませんので、今度は比較移動命令(cmov)を実装します。比較移動命令といっても、比較を担当するのはCPUなので、移動命令のつもりで実装するとよいでしょう。移動命令の概念は説明の必要がないほど単純なので、説明は要らないと思います。という事で、実装例を掲載します。

using System;
using System.Linq;
using System.Collections;
using System.Collections.Generic;

namespace MiniBitMachine.V1
{
    //比較移動命令。
    public class CompareMove : IEquatable<CompareMove>
    {
        //命令長
        public static int Length { get { return 16; } }

        //宛先。
        private IEnumerable<bool> _destinationBinary;
        private byte _destinatio;
        public byte Destination 
        {
            get { return this._destinatio; }
        }

        //送信元。
        private IEnumerable<bool> _sourceBinary;
        private byte _sorce;
        public byte Sorce 
        {
            get { return this._sorce; }
        }

        //宛先と送信元を指定してインスタンスを生成する。
        public CompareMove( byte destination, byte source )
        {
            this._destinationBinary =
                BitMaster.ConvertBinary( destination );
            this._destinatio = destination;
            this._sourceBinary =
                BitMaster.ConvertBinary( source );
            this._sorce = source;
        }

        //バイナリ値からインスタンスを生成する。
        public CompareMove( IEnumerable<bool> binary )
        {
            if ( binary.Count() != CompareMove.Length )
                throw new ArgumentException( 
                    String.Format(
                        "必ず{0}ビットの値を指定してください。",
                        CompareMove.Length ) );
            this._destinationBinary = 
                binary.Where( 
                    ( b, index ) => 
                        ( index < 8 ) ).Select( b => b );
            this._destinatio = 
                BitMaster.ConvertToByte( 
                    this._destinationBinary );
            this._sourceBinary = 
                binary.Where( 
                    ( b, index ) => 
                        ( index >= 8 ) ).Select( b => b );
            this._sorce = 
                BitMaster.ConvertToByte( 
                    this._sourceBinary );
        }

        //命令を実行する。
        public void Execute( Memory target )
        {
            target.Write(
                this.Destination,
                target.Read( this.Sorce ) );
        }

        //インスタンスの文字列表現を取得
        public override string ToString()
        {
            System.Text.StringBuilder str = 
                new System.Text.StringBuilder( );
            str.Append( "cmov " );
            str.Append( this.Destination );
            str.Append( ", " );
            str.Append( this.Sorce );
            return str.ToString( );
        }

        //命令の等価性を判定
        public override bool Equals( object other )
        {
            CompareMove obj = other as CompareMove;
            if ( obj == null ) return false;
            return this.Equals( obj );
        }

        //命令の等価性を判定
        public bool Equals( CompareMove other )
        {
            if ( this.Destination != other.Destination ) 
                return false;
            if ( this.Sorce != other.Sorce ) 
                return false;
            return true;
        }

        //ハッシュコードを取得
        public override int GetHashCode()
        {
            return ( this.Destination + this.Sorce )
                .GetHashCode( );
        }
    }
}

//ビット操作を行うクラス。
public class BitMaster
{
    //他の部分は省略。追加分だけ掲載

    //足りない0を補填する。
    public static IEnumerable<bool> FullZero( 
        IEnumerable<bool> data, int length )
    {
        List<bool> result = new List<bool>( data );
        for ( int i = data.Count( ) ; i < length ; ++i )
            result.Add( false );
        return result;
    }
}

class Sample
{
    static void Main()
    {
        //メモリを用意
        Memory m = new Memory( );
        byte source = 10;
        m.Write( source, true );

        //比較移動命令(cmov)を試す
        byte destination = 20;
        Console.WriteLine( "{0}番地の値は{1}です。",
           source, m.Read( source ) );
        Console.WriteLine( "{0}番地の値は{1}です。",
           destination, m.Read( destination ) );
        CompareMove cmov = 
            new CompareMove( destination, source );
        Console.WriteLine( "{0}を実行すると・・・", cmov );
        cmov.Execute( m );
        Console.WriteLine( "{0}番地の値は{1}になりました。",
            destination, m.Read( destination ) );
        Console.WriteLine( );

        //バイナリ値を指定してcmovを試す
        IEnumerable<bool> destinationBinary =
            BitMaster.FullZero(
                BitMaster.ConvertBinary( destination ), 8 );
        IEnumerable<bool> sourceBinary =
            BitMaster.FullZero(
                BitMaster.ConvertBinary( source ), 8 );
        List<bool> binary = new List<bool>( );
        binary.AddRange( destinationBinary );
        binary.AddRange( sourceBinary );

        CompareMove cmov1 = new CompareMove( binary );
        m.Write( destination, false );
        Console.WriteLine( "{0}番地の値を{1}に戻しました。",
            destination, m.Read( destination ) );
        Console.WriteLine( "{0}を実行します・・・", cmov1 );
        cmov1.Execute( m );
        Console.WriteLine( "{0}番地の値は{1}になりました。",
            destination, m.Read( destination ) );

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}

バイナリ値で比較移動命令のインスタンスを生成する方法と、宛先と送信元でインスタンスを生成する方法を酔いしました。宛先と送信元でインスタンスを生成する方法は、なくても構わないのですが、便利なので用意しています。
 うまく実装するコツは、ToStringメソッド、IEquatableといった、テストで効果を発揮する要素を用意する事です。こうしたテストで便利な機能を実装することをお勧めします。プログラミングの熟練者は、始めから完璧な実装を狙わずに、先を見越して必要な機能を実装します。将来の変更を予期して、リファクタリングしやすい状態にしておきます。
 今回はこれで終わりです。機械語命令をCPUの機能とせず、オブジェクトして扱うと、テストがやりやすくなり、それにより保守性が高まります。さらに、要素を独立させることにより、命令を追加しやすくなるので拡張性も高くなります。こうした事柄を考えるのが、オブジェクト指向の醍醐味だと思います。続く...
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色々な情報処理技術を啄ばむから楽しみにしてね。

http://twitter.com/indori
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