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計算機の基本原理を味わおう7 - CPUの基本動作を実っ装っ!

 この記事は、計算機の基本原理を味わおう6 - 比較移動命令を実装してみようの続きです。前回は、最小計算機唯一の機械語命令である「cmov(比較移動命令)」を実装しました。今回は、CPUの基本動作を実装し、CPUの概念を学習します。
 いままでの記事で、CPU以外の最小計算機の要素を実装しました。いよいよ、考える人の頭脳であるCPUを実装してみましょう。以前に書いたように、CPUの基本動作は、命令取り出し、命令解析、命令実行の3つです。メモリと機械語命令を実装したので、この3つの動作を簡単に実装できると思います。
 まずは実装例を見てみましょう。

using System;
using System.Collections.Generic;

namespace MiniBitMachine.V1
{
    // CPU( Central Processing Unit )。
    public class Cpu
    {
        //参照するメモリ
        private Memory _referenceMemory;

        //プログラムカウンタ用の疑似アドレス。
        private byte _pcAddress;
        public byte ProgramCounterAddress
        {
            get { return this._pcAddress; }
        }

        //プログラムカウンタ(読み取るメモリの位置)。
        private byte _pc;
        public byte ProgramCounter
        {
            get { return this._pc; }
        }

        //終了を表わす疑似アドレス
        private byte _lastAddress;
        public byte LastAddress
        {
            get { return _lastAddress; }
        }

        //比較値が格納されている場所。
        private byte _compareFlagAddress;
        public byte CompareFlagAddress
        {
            get { return _compareFlagAddress; }
        }

        //定数の0が格納されている場所。
        private byte _zeroAddress;
        public byte ZeroAddress
        {
            get { return _zeroAddress; }
        }

        //定数の1が格納されている場所。
        private byte _oneAddress;
        public byte OneAddress
        {
            get { return _oneAddress; }
        }

        //現在セットされている命令。
        private List<bool> _currentBinar; //現在読み込んでいるバイナリ
        private CompareMove _currentCommand;
        public CompareMove Current
        {
            get { return this._currentCommand; }
        }

        //停止フラグ
        private bool _isStop;
        public bool IsStop
        {
            get { return _isStop; }
        }

        //プログラムカウンタの初期値と参照メモリを指定して、インスタンスを生成する。
        public Cpu( byte startIndex, Memory memory )
        {
            //各種フィールドを設定
            this._zeroAddress = 0;
            this._oneAddress = 1;
            this._compareFlagAddress = 3;
            this._pc = startIndex;
            this._referenceMemory = memory;
            SetValues( );
        }

        //規定の設定を準備。
        private void SetValues()
        {
            this._referenceMemory.Write( this._zeroAddress, false ); //定数の0
            this._referenceMemory.Write( this._oneAddress, true ); //定数の1
            this._referenceMemory.Write( this._compareFlagAddress, true ); //比較フラグ
            this._pcAddress = 0;
            this._lastAddress = 1;
        }

        //メモリから命令を読み出す。
        public void Fetch()
        {
            this._currentCommand = null; 
            this._currentBinar = new List<bool>( );
            for ( int i = 0 ; i < CompareMove.Length ; ++i ) 
                this._currentBinar.Add( 
                    this._referenceMemory.Read( this._pc++ ) );
        }

        //命令を解析する。
        public void Decode()
        {
            this._currentCommand = new CompareMove( this._currentBinar );
        }

        //命令を実行する。
        public void Execute()
        {
            if ( this.Current.Destination == this._compareFlagAddress ) {
                //比較フラグを更新
                this._currentCommand.Execute( this._referenceMemory );
                return;
            }
            if ( this._referenceMemory.Read( this._compareFlagAddress ) ) {
                if ( this.Current.Destination == this.ProgramCounterAddress ) {
                    //プログラムカウンタの値を更新する
                    this._pc = this.Current.Sorce;
                    return;
                } else if ( this.Current.Destination == this.LastAddress ) {
                    //CPUを停止する
                    this._isStop = true;
                    return;
                }
                this._currentCommand.Execute( this._referenceMemory );
            }
        }
    }
}

ポイントはメモリの位置を指定する点にあります。3番地までは定数と比較フラグが格納されているので、機械語命令を表わすバイナリ値はそれ以降になります。後は、比較移動命令で指定する特殊なアドレス(PC・停止・フラグ)を用意すれば、ひとまず完成です。これで、CPUらしいことができます。
 試しにcmov命令をバイナリ値でメモリに格納してから、CPUで実行してみましょう。

using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using MiniBitMachine;
using MiniBitMachine.V1;

class Sample
{
    //メモリにバイナリ値を格納する。
    public static void SetMemory( 
        ref byte index, Memory m, IEnumerable<bool> binary )
    {
        binary = BitMaster.FullZero( binary, 8 );
        foreach ( bool v in binary ) {
            m.Write( index, v );
            ++index;
        }
    }

    //メモリ内に命令を用意する。
    public static void InitMemory( 
        Memory m, byte start, byte destination, byte source )
    {
        //メモリに内にバイナリを準備
        byte index = start;
        IEnumerable<bool> destinationByte = 
            BitMaster.ConvertBinary( destination );
        SetMemory( ref index, m, destinationByte );
        IEnumerable<bool> sourceByte = 
            BitMaster.ConvertBinary( source );
        SetMemory( ref index, m, sourceByte );
    }

    static void Main()
    {
        //バイナリ値を用意する
        byte source = 100;
        byte destination = 200;
        CompareMove cmov =
            new CompareMove( destination, source );

        //メモリを用意する
        Memory m = new Memory( );
        m.Write( source, true );

        //機械語命令をメモリに格納
        byte start = 5;
        InitMemory( m, start, destination, source ); 

        //CPUを用意する
        Cpu cpu = new Cpu( start, m );

        //値を確認しながら実行
        Console.WriteLine( "{0}番地の値は{1}です。",
            source, m.Read( source ) );
        Console.WriteLine( "{0}番地の値は{1}です。",
            destination, m.Read( destination ) );
        cpu.Fetch( );
        cpu.Decode( );
        cpu.Execute( );
        Console.WriteLine( "\ncmovを実行しました・・・" );
        Console.WriteLine( "{0}番地の値は{1}です。",
            source, m.Read( source ) );
        Console.WriteLine( "{0}番地の値は{1}です。",
            destination, m.Read( destination ) );

        //終了
        Console.ReadLine( );
    }
}

バイナリ値をメモリに用意するところが、ちょっと難しいかもしれませんが、それ以外は簡単だと思います。
 今回のプログラムは、OSのブートストラップを作った経験に基づいて考えました。ブートストラップは、指定位置にあるバイナリ値を読み出しつつ実行します。メモリの初期位置には、BIOSとパーティション情報とブートストラップ自身が格納されているので、0番地から読むのではなく、特定の位置から読み始めます。
 一般のプログラムも、アセンブラレベルで考えると、データ領域コード領域に分かれて、メモリ内に確保されています。CPUはデータと命令の区別ができないのでそうなります。この点は非常に重要なので覚えてください。
 今回はこれでお終いです。次回はcmovだけを使ってプログラムを書きます。お楽しみに♪
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