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計算機の基本原理を味わおう13 - 最小計算機と内部オブジェクトによる簡潔化

 この記事は、計算機の基本原理を味わおう12 - レジスタの存在理由の続きです。前回は、計算機におけるパフォーマンスについて解説しました。今回は、計算機と内部オブジェクトについて解説します。
 今回まで色々な事をしてきました。それにより、最小計算機のコードも増えてきました。今はまだ大したことありませんが、将来学習を進めるうえで障害になりかねません。どうしたらいいのでしょうか?その答えは、実在するCPUにあります。インテル製のCPUは、CPU内部で機能ごとに、それを担当するユニットがあります。これを参考にしましょう。
 オブジェクト指向プログラミングでは、外部に公開しない内部オブジェクトを作ることができます。そうすることにより、外部のプログラムに影響を与えず、可読性と保守性を高める事ができます。今回の場合、CPUの命令実行に関する部分が複雑化しているので、内部オブジェクトを作って整理するのがベストです。
 具体的には実行を担当するオブジェクトを作り、そこに実行に関するデータと振る舞いを移動します。また、直接実行に関係しない情報を別のオブジェクトで担当することにします。

using System;

namespace MiniBitMachine.V2
{
    //機械語命令を実行するオブジェクト。
    internal class Executer
    {
        //実行に必要な情報。
        ExecuteEnvironment _exeInfo;

        //プログラムカウンタ(読み取るメモリの位置)。
        private byte _pc;
        public byte ProgramCounter
        {
            get { return this._pc; }
            internal set { this._pc = value; }
        }

        //比較フラグレジスタ。
        private bool _compareFlag;
        public bool CompareFlag
        {
            get { return this._compareFlag; }
        }

        //停止フラグ
        private bool _isStop;
        public bool IsStop
        {
            get { return this._isStop; }
        }

        //参照するメモリ
        private Memory _referenceMemory;
        public Memory ReferenceMemory
        {
            get { return this._referenceMemory; }
            set { this._referenceMemory = value; }
        }

        //実行に必要となる情報を指定して、インスタンスを生成する。
        public Executer( 
            ExecuteEnvironment exeInfo, 
            byte startIndex, 
            Memory memory )
        {
            this._pc = startIndex;
            this._exeInfo = exeInfo;
            this._referenceMemory = memory;
            this.SetValues( );
        }

        //規定の設定を準備。
        private void SetValues()
        {
            this._referenceMemory.Write( 
                this._exeInfo.ZeroAddress, false ); //定数の0
            this._referenceMemory.Write( 
                this._exeInfo.OneAddress, true ); //定数の1
        }

        //実行する命令のタイプ。
        private enum ExecuteType
        {
            Normal,
            UpdateCompareFlag,
            UpdatePc,
            StopCpu,
            Nothing
        }

        //実行する命令のタイプを決定する。
        private ExecuteType GetExecuteType( CompareMove command )
        {
            if ( command.Destination == 
                this._exeInfo.CompareFlagAddress )
                return ExecuteType.UpdateCompareFlag;
            if ( this._compareFlag ) {
                if ( command.Destination == 
                    this._exeInfo.ProgramCounterAddress )
                    return ExecuteType.UpdatePc;
                if ( command.Destination == 
                    this._exeInfo.LastAddress )
                    return ExecuteType.StopCpu;
                return ExecuteType.Normal;
            }
            return ExecuteType.Nothing;
        }

        //命令を実行する。
        public void Execute( CompareMove command )
        {
            ExecuteType type = this.GetExecuteType( command );
            switch ( type ) {
                case ExecuteType.Normal:
                    command.Execute( this._referenceMemory );
                    break;
                case ExecuteType.UpdateCompareFlag:
                    this._compareFlag =
                        this.ReferenceMemory.Read( command.Source );
                    break;
                case ExecuteType.UpdatePc:
                    this._pc = command.Source;
                    break;
                case ExecuteType.StopCpu:
                    this._isStop = true;
                    break;
                case ExecuteType.Nothing:
                    break;
                default:
                    throw new ArgumentException(
                        type + "には対応していません。" );
            }
        }
    }
}

using System;

namespace MiniBitMachine.V2
{
    //実行に必要な情報を保持するオブジェクト。
    public class ExecuteEnvironment
    {
        //プログラムカウンタ用の疑似アドレス。
        private byte _pcAddress;
        public byte ProgramCounterAddress
        {
            get { return this._pcAddress; }
            internal set { this._pcAddress = value; }
        }

        //比較値を表わす疑似アドレス。
        private byte _compareFlagAddress;
        public byte CompareFlagAddress
        {
            get { return this._compareFlagAddress; }
            internal set { this._compareFlagAddress = value; }
        }

        //終了を表わす疑似アドレス
        private byte _lastAddress;
        public byte LastAddress
        {
            get { return this._lastAddress; }
            internal set { this._lastAddress = value; }
        }

        //定数の0が格納されている場所。
        private byte _zeroAddress;
        public byte ZeroAddress
        {
            get { return this._zeroAddress; }
            internal set { this._zeroAddress = value; }
        }

        //定数の1が格納されている場所。
        private byte _oneAddress;
        public byte OneAddress
        {
            get { return this._oneAddress; }
            internal set { this._oneAddress = value; }
        }

        //インスタンスを生成する。
        public ExecuteEnvironment( )
        {
        }

        //インスタンスの文字列表現を得る。
        public override string ToString()
        {
            System.Text.StringBuilder result = 
                new System.Text.StringBuilder( );
            result.Append( 
                String.Format( "宛先が{0}はプログラムカウンタ\n", 
                    this._pcAddress )
                );
            result.Append(
                String.Format( "宛先が{0}は終了を表わす\n", 
                    this._lastAddress )
                );
            result.Append(
                String.Format( "宛先が{0}はフラグレジスタ\n", 
                    this._compareFlagAddress )
                );
            result.Append(
                String.Format( "送信元が{0}は定数の0\n", 
                    this._zeroAddress )
                );
            result.Append(
                String.Format( "送信元が{0}は定数の1", 
                    this._oneAddress )
                );
            return result.ToString( );
        }
    }
}

using System;
using System.Collections.Generic;

namespace MiniBitMachine.V2
{
    //CPU( Central Processing Unit )。
    public class Cpu
    {
        //実効を担当するオブジェクト。
        private Executer _executer;

        //参照するメモリ
        public Memory ReferenceMemory
        {
            get { return this._executer.ReferenceMemory; }
        }

        //現在セットされている命令。
        private List<bool> _currentBinar; //現在読み込んでいるバイナリ
        private CompareMove _currentCommand;
        public CompareMove Current
        {
            get { return this._currentCommand; }
        }

        //停止フラグ
        public bool IsStop
        {
            get { return this._executer.IsStop; }
        }

        //プログラムカウンタの初期値と参照メモリを指定して、
        //インスタンスを生成する。
        public Cpu( byte startIndex, Memory memory )
        {
            //各種フィールドを設定
            this._executer = new Executer( 
                GetEnvironment(), startIndex, memory );
        }

        //メモリから命令を読み出す。
        public void Fetch()
        {
            this._currentCommand = null; 
            this._currentBinar = new List<bool>( );
            for ( int i = 0 ; i < CompareMove.Length ; ++i ) 
                this._currentBinar.Add( 
                    this.ReferenceMemory.Read( 
                        this._executer.ProgramCounter++ ) );
        }

        //命令を解析する。
        public void Decode()
        {
            this._currentCommand = new CompareMove( this._currentBinar );
        }

        //命令を実行する。
        public void Execute()
        {
            this._executer.Execute( this._currentCommand );
        }

        //実行環境に関する情報を取得する。
        public static ExecuteEnvironment GetEnvironment()
        {
            ExecuteEnvironment result = new ExecuteEnvironment() {
                ZeroAddress = 0, 
                OneAddress = 1,
                ProgramCounterAddress = 0,
                LastAddress = 1,
                CompareFlagAddress = 2
            };
            return result;
        }
    }
}

CPUオブジェクトのコードが、簡潔になったのが見て取れると思います。これにより、今後頻繁に更新することになる、機械語命令の実行部分が独立して更新できるようになりました。今はまだ、些細な効果にしか見えないでしょうが、意外と効果が大きいです。プログラミングを進めていけばわかると思います。
 このような内部オブジェクトは、テストに役立ちます。明確な目的を持った内部オブジェクトを作ると、細かいテストもやりやすくなります。内部オブジェクトはアクセスできないと、思う人が居るかもしれませんが、フレンドアセンブリもしくは、リフレクションを使用すれば問題ありません。
 今回はこれでお終いです。実在するCPUがオブジェクト指向と似たことをしていることに注目してください。プログラミングはプログラムだけではなく、ありとあらゆる事象から学べます。次回は計算機のより面白い機能を紹介します。お楽しみに♪
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テーマ : プログラミング
ジャンル : コンピュータ

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Author:インドリ
みなさん、はじめまして、
コンニチハ。

ボクは、無限の夢(infinity dream)を持つネタ好きな虹色の鳥インドリ(in dre)です。
色々な情報処理技術を啄ばむから楽しみにしてね。

http://twitter.com/indori
は別人による嫌がらせ行為です。
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