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計算機の基本原理を味わおう27 - セグメントアドレス指定方式の弱点とオーバーフローの危険な関係

 この記事は、計算機の基本原理を味わおう26 - オブジェクト指向アセンブラプログラミング?の続きです。前回はアセンブラコードを、オブジェクト指向で扱う方法について解説しました。今回は、セグメントアドレス指定方式と、オーバフローについて解説します。
 前回の答えわかりましたか?ヒントはサンプルコードのコメントに書いてあります。BitEqualTest( m ); //この命令は長すぎて正常に実行できない
 では、長い命令とは何を意味するのでしょうか?その答えを知るには、最小計算機の仕様について考えねばなりません。ビットマシンである最小計算機は何ビットまでの命令を扱えるでしょうか?答えは256ビットです。おや?おかしいですね。セグメント機能を使って、256 × 256 = 65536 にしたはずです。通常の人は、65536ビットまで対応しているはずだと考えるでしょう。
 しかしながら、セグメントアドレス指定方式は、セグメントアドレスと、ベースとなるプログラムカウンタが別に存在しています。従って、256個のセグメントは扱えますが、個々のセグメントは256ビットを超える命令を扱えません。これは実際に存在した問題に基づいています。
 インテル社製CPUはその昔、1Mバイトの壁と呼ばれるものと、64Kバイトの壁というものがありました。1Mバイトの壁により、搭載メモリ容量が1M以上あっても、リアルモードでは1Mまでのアドレスしか指定できませんでした。また、個々のセグメントは64Kバイトまでしか指定できませんでした。この問題は、当時の状況を考えると仕方がないものでした。
 同様に、最小計算機のプログラムカウンタは8ビット(byte型)なので、255を超えるアドレスを指定しようとすると、不都合なことが起こります。どうなるのかは、環境とコンパイラオプションに依存します。よくあるのは、255をインクリメントすると0になる現象です。従って最小計算機は、比較移動命令1個当たり16ビット必要なので、16個までの比較移動命令しか扱えないということです。
 それを確かめるために、例外処理をプログラムに仕掛けてみましょう。

//アドレスを管理するオブジェクト。
public class Addresser
{
    //次の命令が格納されているアドレスを取得する。
    public ushort GetNextProgramCounter()
    {
        if ( this.ProgramCounter.Value == 255 ) {
            throw new InvalidOperationException(
                "プログラムカウンタが限界値を超えてしまいました。" );
        }
        ushort result = ( ushort ) ( this._cs.Value << 8 );
        result += this.ProgramCounter.Value++;
        return result;
    }
}

このプログラム付け加えて実行すると、正しく実装していれば例外処理が発生します。
 以上にように、計算機は限られた資源で数値を表現しているので、扱える数値の限界を超えてしまうことがよくあります。これをオーバーフローと呼びます。
 計算機を扱う以上、オーバーフローの危険は常に存在します。オーバーフローを意識して、プログラミングしましょう。今回はこれで終わりです。続く。
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ジャンル : コンピュータ

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