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マルチパラダイム時代におけるデータ構造 第6回 ー ユーザーストーリーを考えよう

 この記事は、「マルチパラダイム時代におけるデータ構造 第5回 ー 例外を活用しよう」の続きです。前回はテストの準備について解説しました。今回は、実際のテストの作り方について解説します。
 さて、いよいよテストを実装します。テストに対してマイナスイメージを持つ人が多いですが、よいテストは楽しく、プログラミングをやりやする効果があります。テスト実装のやり方を解説しますので、一緒にテストを作りましょう。
 有名なテストは単体テストで、メソッドごとに行うイメージがあるかと思います。単一メンバーごとに行うテストも時にはよいものですが、機械的で退屈になりがちですし、変化に弱く、想像力を刺激しません。テスト=単体テスト=単一メンバーという固定概念を捨て、ストーリー単位でテストを作りましょう。そうすれば、変化に強く、想像力を刺激するよいテストを作れます。
 ユーザーストーリーというと、なんだか難しく聞こえますが、本当は単純なものです。「貴方はデータ構造をどう使いますか?」という質問を自分にしてみるといいと思います。そうすれば、自然と発想が湧きます。最初「データ構造はどうあるべきか」と堅苦しく考えると、テストが思い浮かばなくなるものですが、どう自分が使いたいのか考えると、自然とテストのアイデアが浮かぶと思います。
 私がデータ構造に求めることは、データのライフサイクル(発生・更新・消滅)の面倒を見てくれることです。データを管理するオブジェクトなのですから、データのライフサイクルに対応する必要があるかと思います。そこで、最初に作るユーザーストーリーは、「1つのデータを作り消す。この過程で、データの個数は増え、データ構造内に作ったデータを選択できる。」です。これはごく簡単なストーリーであり、最初に作るテストとして適切だと思います。
 私が考えたユーザーストーリーを実装すると、次のようになります・・・

using System;
using DataStructure;

 //IDataManagerTest<T>を実装するオブジェクトに対するテスト。
abstract class IDataManagerTest<T>
{
    //要素数が正しいかチェックする。
    protected virtual void CountCheck(
        string testName,
        IDataManager<T> target,
        string methodName,
        int before,
        int rightValue )
    {
        if ( target.Count != rightValue )
            throw new TestException(
                testName,
                methodName +
                "メソッド実行後のCountプロパティの値が正しくありません。"
                + Environment.NewLine +
                "予想値:" + rightValue +
                " 実際の値:" + target.Count
                + Environment.NewLine +
                methodName +
                "メソッドとCountプロパティを確認してください。" );
    }

    //指定したデータが選択可能か否か判定する。
    protected abstract bool CanSelect(
        IDataManager<T> target,
        int count,
        T value );

    //発生したデータが選択できないときに行うエラー処理。
    protected void InsertSelectError(
        string testName,
        IDataManager<T> target,
        string methodName, //オーバーロードがあるから
        bool success,
        T value )
    {
        if ( !success ) {
            throw new TestException(
                testName,
                methodName +
                "メソッド実行後に発生したデータを選択できませんでした。"
                + Environment.NewLine +
                "選択できない値:" + value
                + Environment.NewLine +
                methodName +
                "メソッドとSelectメソッドを確認してください。" );
        }
    }

    //発生したデータが選択できないときに行うエラー処理。
    protected void DeleteSelectError(
        string testName,
        IDataManager<T> target,
        string methodName, //オーバーロードがあるから
        bool success,
        T value )
    {
        if ( success ) {
            throw new TestException(
                testName,
                methodName +
                "メソッド実行後に消滅したデータを選択できてしまいました。" +
                "選択値:" + value
                + Environment.NewLine +
                methodName +
                "メソッドとSelectメソッドを確認してください。" );
        }
    }

    //1つのデータを生成・消滅できる事を確認するテスト。
    protected void OneDataLifeCycleTest(
        IDataManager<T> target,
        T value )
    {
        string testName = "OneDataLifeCycleTest";
        int count = target.Count;
        OneDataInsertSubTest( target, value, testName, count );
        OneDataDeleteSubTest( target, value, testName, count );
    }

    //1つのデータを発生させるサブテスト。
    private void OneDataInsertSubTest(
        IDataManager<T> target, T value,
        string testName, int count )
    {
        target.Insert( value );
        this.CountCheck(
            testName: testName,
            target: target,
            methodName: "Insert",
            before: count,
            rightValue: ( count + 1 ) );
        bool success = this.CanSelect(
            target: target,
            count: 1,
            value: value );
        if ( !success ) {
            this.InsertSelectError(
                testName: testName,
                target: target,
                methodName: "Insert",
                success: success,
                value: value );
        }
    }

    //1つのデーターを消滅させるサブテスト。
    private void OneDataDeleteSubTest(
        IDataManager<T> target, T value,
        string testName, int count )
    {
        target.Delete();
        this.CountCheck(
            testName: testName,
            target: target,
            methodName: "Delete",
            before: count,
            rightValue: count );
        bool error = this.CanSelect(
            target: target,
            count: 1,
            value: value );
        if ( error ) {
            this.DeleteSelectError(
                testName: testName,
                target: target,
                methodName: "Delete",
                success: error,
                value: value );
        }
    }
}

本当は更新もテストしたかったのですが、IDataManager<T>にはUpdateメソッドがないのでやっていません。CanSelectメソッドが抽象的である理由は、データ構造ごとに選択の内容が違うからです。例えば、キューというデータ構造は先入先出で、スタックは後入れ先出しです。それに加えて、一度取り出したデータは消えてしまいます。そういった個々のデータ構造の個性を考慮しつつ、共通した部分を実装してテストプログラムの増加を防いでいます。
 あとは、コンスセル特有の部分を実装するだけです。

using System;
using DataStructure;

//コンスセルオブジェクトのテストを行う。
class ConsCellTest<T> : IDataFreeManagerTest<T>
{
    //指定したデータが選択可能か否か判定する。
    protected override bool CanSelect(
        IDataManager<T> target,
        int count,
        T value )
    {
        bool result = false;
        var temp = ( ConsCell<T> ) target;
        try {
            T returnValue = temp.Select( count );
            result = returnValue.Equals( value );
        } catch ( IndexOutOfRangeException ) {
        }
        return result;
    }

    //全てのテストを実行する。
    public void AllTestExecute(
        Func<ConsCell<T>> initFunc,
        T one )
    {
        this.OneDataLifeCycleTest( initFunc(), one );
    }
}

これでひとまず1つのユーザーストーリーが完成しました。このシンプルなテストに合格するように、オブジェクトを実装していきます。
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ジャンル : コンピュータ

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