ニュースを分析21回 - STAP細胞報道を論理分析してみよう
マスメディアが主張していることは、異常なことにほぼ同じです。日本には個性というものがないようです。その論調を論理の前提にして考えてみましょう。
A.厳密に法律(著作権法など)に照らさず、ミスがあれば犯罪者(偽装などは犯罪者といっているのと同じ)だとみなす。
B.ミスがあれば(マスメディアは犯罪を表す不正と表現)があれば、研究者の発明も疑う。
C.ミスを犯した人がいたら、学会全体を疑う。学界の信頼回復が必要などと報道している。
わかりやすいように3点にまとめましたが、マスメディアの論理の流れは、ミスを犯した→その人は犯罪者だ→犯罪者のいう事だから発明も疑う→犯罪者が出現する業界は信じないという3段論法です。
この論理が正しいか帰誤法で確かめてみましょう。論理はAであればB、BであればCという事ですから、文章にすると個人が犯したミスは犯罪行為と同じであり、ミスを犯した人は犯罪者である。犯罪者の研究はすべて否定する。犯罪者がいる業界は信じない。これをDとし、それを真だと仮定してみます。
仮定に当たり、論理の世界では、小保方さんは変数でしかないので、他の人でもそれが言えるか否か考えなければなりません。そこで、個人をX、研究や行為などをY、属する業界をZとします。
もう一度復習し纏めます。A⇒B⇒C(AならばB、BならばC)なので、Xが居ればY、YならばZであり、論理の推移律に従って、省略するとA⇒CとX⇒Zとなります。
さて、これを真だと仮定するので、マスメディアを論理に当てはめて考えます。すると、名誉棄損で敗訴したマスメディアの個人Xは存在するので、X⇒Y(名誉棄損に問われた人間がいるからその論理は信じられない)とY⇒Z(犯罪者がいる業界は信じられない)ということになります。
この段階で結論が導きだされます。その信じられないマスメディアが言ったことを、真実だというのであれば、前提X⇒Zおよび、A⇒Cの前提に反しています。すなわち矛盾が存在します。という事は、X⇒ZとA⇒Cが真だと仮定したことが誤りだと判明します。
さらに突っ込んで考えると、ミスを犯した人が存在しない業界は存在するのでしょうか?仮に真だと仮定すると、ミスを犯さない人間が業界を形成するほど存在することになり、人間は基本ミスをしないという事になります。しかしそれもまた、矛盾を生じるので、それもあり得ないと分かります。
以上の論理分析から言って、マスメディアは自己矛盾している報道をしているのであって、その報道の価値は甚だ疑わしいです。また彼らの主張が正しいならば、彼ら自身を信じないという事になります。
私がよく日本の報道の質が悪いといっているのは、こういう事です。彼らはおよそ非理論的で金儲けだけを目的とし、虐めを頻繁に行います。そういった稚拙で醜い行為は真似せず、反面教師にしましょう。そして、数少ない価値ある報道をしている記者と会社を応援しましょう。そうすれば、このような質の悪い報道は、経済原則に従って消滅するでしょう。