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ネタつつき219  - 当たり前は存在しない。思考し続けよう。

 情報技術者としての私の信念は「当たり前など存在しない」です。この考え方は、非常に重要だと思いますので、今回はそれについて書きます。
 例えば、5×0=0. 4×0=0.は当たり前でしょうか?多くの人は良く考えもせずに、当たり前だとか、そう決まっているなどと考えるようです。通常はこれでよいとされておりますが、そのような考えでは技術者は務まりません。暗黙の了解で済ましたり、思考停止したりして、思考を巡らせないのでは、何も想像できませんし、細部に潜む髪を見出すことができなくなります。「当たり前」に疑問を呈し、深く物事を考えるのが技術者です。
 先ほどの例でいうと、「零の定義」「掛け算の定義」「等号の定義」の3つの定義をよく考えるのがよいでしょう。これから一緒に考えましょう。
 零の定義は意外と複雑です。零の歴史は長く、深い意味合いがあります。存在がない事を表す働きと、位取り記数法の役割の2つの役割を持ち、思想的には無限と深く結びついています。この奥深く多面的な零をよく捉えない限り、真実に到達することはありえません。しかし、これ以上思考を進めるには、他の定義を考える必要があります。
 掛け算の定義は、土地の面積計算から端を発しています。また、足し算を効率よく行うためのものでもあります。この2つの行為は単純に見えますが、微分積分とも結びつており、意外と複雑です。何故ならば、面積計算は線を積分するものだと捉えることができるからです。
 等号の定義についても油断できません。等価を意味すると考えられますし、掛け算アルゴリズムの結果と考えることもできるからです。この両者は同じだと思われるかもしれませんが、微妙に異なります。何故ならば、等価を意味するのであれば、何をもって等価なのかを深く考えねばならないからです。すなわち、零とは何かについて明確な答えを出さねばならないのです。
 これで定義が出そろったので、再び思考を進めましょう。そもそも零とは何でしょうか?零を積分するとは何を意味するのでしょうか?零と等価とはどんな状態なのでしょうか?・・・色々な疑問が浮かびます。どうやら、これらの問いの答えは、「零とは何か」にあるようです。
 再び零とは何かについて考えましょう。零は無であり、無限でもあります。そして、記数法の道具でもあります。また、同じ数同士を引けるという特徴も持ちます。これらを統一する零の定義とは何でしょうか?この問いは難題です。過去、多くの人が考え続けました。絶対的な答えは導き出されていないので、正解はないと思います。ここで技術者としての姿勢が問われます。貴方は答えがないからといって諦めますか?
 私は技術者を「思考を止めない人」だと考えています。ですから、答えがないからといって思考を止めません。いかなる時も何らかの答えを出します。先ほどに例の零についても私なりの答えを出しました。
 私が考えるに、零とは「制約を定めていない集合」です。何故ならば、零は無でもあり無限でもあるからです。この2つの性質の両方を満たすには、この答えしかないと思います。制約がない状態だと考えれば、定義がないので無であり、制約を考えられるので無限でもあると考えることが可能となります。また、記数法としての零と、同じ数同士の零についても、「定めていない部分についての対応」だと考えられるからです。この考え方が、日記で書いた作用数につながります。
 カントールは無限を数える事を可能としました。その方法とは、自然数との1対1対応です。ならば、零についても対応を考えればよいという事になります。すなわち、5×0、4×0…についても対応として考えれば、「無制限を制限することが可能」となります。
 先ほど言ったように、カントールの考えを適用し、片方の値が零の掛け算の組を、0を加えた自然数に対応してみます。そうすると、以前は区別できなかった零に形をあたることができます。
 もし、当たり前だとか、答えがないだと考え、思考停止していたならば、このように新しいものを創造できなくなるのは明白です。想像できない技術者に何の価値があるのでしょうか?それを考えると、私が言っている意味が分かると思います。
 この世の中には、答えがない問いが沢山あります。それら無数の問いに対して、思考放棄で臨む人生は楽しいでしょうか?それを楽しいと言い切れる人がいればそれでよいのですが、そうでないならば考えるしかありません。人間は考える葦です。たとえ技術者でなくても、物事を深く考えるのは大切な事だと私は思います。
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テーマ : 文明・文化&思想
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