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数学メモ 鏡面証明法と濃度についての考察

 この記事は自分用のメモです。実数における0から1の間の濃度は、自然数を超えるのかを考えるとき、カントールの対角線論法を使用するのが一般的だ。しかし、こんなことを考える必要があるのだろうか?もっと、簡単に判断できる方法があると私は思う。それで、等式を使用した、鏡面証明法を考えてみた。
 実数の0から1の間の数値が、自然数(ここでは0を含む)の濃度と等しいと仮定する。これを等式であらわすと、ℵ0 = 0.ℵ0となる。小数点以下の数値が、0~∞ならば、自然数との対応が見出されるのは自明である。しかしながら、実数には0.001のように、任意の数の0を付けた数値が存在する。従って、実数と自然数の濃度が等しいという仮定を満たすには、0を付加した値が自然数と等しくならねばならない。0は任意の数並べられるから、その数をxとする。すると、0xℵ0 = 0.0xℵ0となる。これが等しくなる条件は、0~1の間の実数と、自然数が1対1対応する事であるから、自然数が0xℵ0の数値を表現できるのか調べればよいことになる。
 先ずはxが0個の場合を考えてみる。0個の場合は、通常の自然数なので対応が存在するのは自明である。次にN個ある場合を考える。実数が1対1対応になるには、自然数がN個の0が区別できなければならない。従って、Nxℵ0 ≠ (N - 1)xℵ0でなければならい。しかしながら、自然数は先頭の値に零をいくつ付加しても値としては同値である。従って、1対1対応を満たさない。それ故に、0~1の間の実数の濃度と自然数の濃度が等しいとした仮定が誤りであることがわかる。

 以上のように、等式を基に鏡面のように比べる証明法を鏡面証明法と命名する。試しに自然数と整数についても鏡面証明法を行ってみる。

 0を含む自然数の濃度と整数の濃度が等しいと仮定する。すると、ℵ0 = ±ℵ0となる。±はプラスの場合とマイナスの場合があるので場合分けして考える。まずはプラスの場合、ℵ0 = +ℵ0となる。整数の全ての正の数は、自然数で表現できるのでこれは正しい。次にマイナスの場合を考えると、ℵ0 = -ℵ0となる。ここで問題となるは、1対1対応である。整数の場合 +ℵ0 ≠ -ℵ0は成り立つ。しかしながら、自然数の場合、符号がないので、ℵ0 ≠ ℵ0とはならない。従って、負数の対応先が存在しない。従って、整数の濃度と自然数の濃度が等しいという仮定が間違っていることがわかる。

 カントールが考えた濃度の定義では、自然数と整数は等しくなる。彼の方法は、無限の性質を利用したもので、0 →0、1 → 1、-1 → 2...というものである。これは確かに正しいのだが、方法そのものが有限であるという矛盾が存在する。何故ならば、先ほど鏡面証明法で確認したように、自然数の全てを附番した場合、マイナス値の分だけはみ出てしまうからである。人間では無限を最後まで並べることができないから、カントールの方法が間違っているとは言えないが、その発想自体が有限のものである。ならば、記号を無限個並べたらどうなるのかを考えばならないと、私は考えるからである。有限の存在である人間の思考で、無限個並べた事を考えるのは無理があるし、限りがないので無限だとも言える。しかしながら、考え方を変えれば無限をとらえることができる。
 そもそも、無限個の記号を並べるとはどんな操作なのだろうか?そして、無限に個性があるのだろうか?その2つを考えたとき、極限操作とεーδ論法が思い浮かぶ。極限操作では、無限回数演算することを認めている。また、εーδ論法では、無限を式であらわしている。という事は、無限回数処理することに抵抗を感じる必要はなく、無限も式によって定義できることがわかる。この考えを発展させると、無限回数の処理を終わりがあるかのごとく扱い、無限を式により個性付けできるという事になる。
 すなわち、鏡面証明法で考えたように、無限個の記号を並べ、それが自然数と対応するのかを考えることに正当性があると私は考える。そう考えた方が、より数学は自由となり、無限を代数式などで自由に操れるようになる。無限に対して恐れを抱いたり、何かの行為ができないなどと考えたりしなくともよい。数学は自由であり、カントールによって、無限にも種類があることが見出されたのだから、無限を代数的に扱ってもよいだろう。
 ただし、無限個の記号を並べることにより、何かできることが増えなければ美しくない。そのような数学の拡張は無駄な贅肉であり醜い。むろん、無限個の記号を並べることによりできることが増える。
 先ほどの例でいうと、0~1の実数は、自然数の濃度よりも、0の個数x分だけ濃度が高いことが判明した。これは何を意味するのだろうか?それは、実数を考えると分かる。
 実数の0.0001などといった数値は、1 × 10の-x乗の別紀法ある。という事は、自然数が足りないのは、桁数であることがわかる。従って、自然数に桁数を付加し、桁数(精度と考えるとよい)が違えば別の値を示す新しい数N++(C++のジョーク)を考えれば、実数と1対応1することが可能となる。つまり、012と0012が違う数の体系を考えればよいのである。この例からも明らかなように、鏡面証明法を使用すれば新しい数学の要素を生み出す可能性がある。それ故に私は、鏡面証明法を数学の新しいツールとして使用しようと思う。
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テーマ : 数学
ジャンル : コンピュータ

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