VB.NETをつつく26-引数の参照渡し。時には曖昧にしておくのがベスト。
値渡しの場合は、「この原価計算報告書を部長に渡してね」と直接対象を指して言っているのと同じなんだ。一方参照渡しの場合は、「この書類部長に渡してね」と間接的に対象を指しているということなんだ。つまり、この2つの言い方の違いは、 替えが可能かどうかなんだ。 先ほどの例で言うと、原価計算報告書と違う書類を渡した時、 値引き渡しの場合は「おいおい○○。これ原価計算報告書じゃないぞ。」と注意されるのに対して、 参照引き渡しの場合は何も言われない。だって「書類」って曖昧に言っているからね。
何故このように2つの引渡し方法がVB.NETにあるのかというと、 プログラムの柔軟性と 効率性を高めようとしているからなんだよ。 論よりもプログラミング。毎度御馴染みサンプルコードを実行してからよく見て。
Imports System
Imports System.Diagnostics
Module Module1
Sub Main()
Dim watch As Stopwatch = New Stopwatch()
Const max As Integer = 1000000
Dim result As Double = 0
'値引渡し
watch.Start()
For i As Integer = 0 To max
result = Calculate(i)
'resultを使って何かの計算をする
Next
watch.Stop()
Console.WriteLine( _
"値引渡し時の実行時間は{0}ミリ秒です。", _
watch.ElapsedMilliseconds)
'参照引渡し
watch.Reset()
watch.Start()
For i As Double = 0 To max
result = i
RefCalculate(result)
'resultを使って何かの計算をする
Next
watch.Stop()
Console.WriteLine( _
"参照引渡し時の実行時間は{0}ミリ秒です。", _
watch.ElapsedMilliseconds)
End Sub
Private Function Calculate(ByVal value As Integer) As Double
Return value * DateTime.Now.Millisecond
End Function
Private Sub RefCalculate(ByRef value As Double)
value *= DateTime.Now.Millisecond
End Sub
End Module
どう?値引渡しと参照引渡しどちらが速かった?この状況で参照引き渡しの方が速い理由は 同じ変数を使いまわせるからなんだ。 値引渡しの場合は実行環境が毎回値を作成しているから、何度も使いまわしする場合にはスピードが落ちるんだ。 だから、参照引渡しの使い方をマスターしておくと、より効率がいいプログラムが組めるんだよ。 何度も試してマスターしておこう。
でも正直に言うと、このサンプルのスピードは、引渡し方法だけではなくてキャストが影響しているんだけど、それについては難しいから今後説明するピヨ。
説明終わり。ということでこの記事は終わり。
追記:
この記事はボックス化を同時に説明しようとして失敗しました。そこで、只今応急処置としてボックス化をキャストへ修正しました。後日改めて「ボックス化/アンボックス化」、「参照引渡し」、「キャスト」、「ボックスとキャストの違い」を各記事に分けて書きます。