中の人の徒然草314
昨日、また読みたくなって、この本を読んでいました♪
バートランド・メイヤー氏はすごいですよね。オブジェクト指向方法論は数あれど、有名でなおかつ分析・設計・実装の全てを持論内にきっとり納めているオブジェクト指向方法論は彼だけだと思います。
また、その思想もすごいです。彼の契約による設計は攻撃的デバッグとの相性がいい事ですし、契約は他の方法論を採用したとしても使いたいです。流石コンパイラの作者だけあります。
オブジェクト指向は一意だと誤解している人が多いけども、抽象的でもあるので多くの方法論が存在します。 その方法論をどのように実践するのかが分析者や設計者の腕の見せ所です。
スリーアミーゴスも各々優れた理論を提供していますし、UMLは多くの方法論を取り入れたものになっておりますので、その状況に応じて各方法論の優れた部分を取り入れるのが実践的です。実際私はそうしておりますし、オブジェクト指向をちゃんと学習しているSEもそうしていることでしょう。
そういったオブジェクト指向の柔軟性が利点であり、同時に弱点でもあるとよく私は感じます。オブジェクト指向って実のところ実態があるようでない。ないようである非常に抽象的な理論です。その抽象さもしくは柔軟さが学習する人を困らせているのは確かです。
とはいえ、オブジェクト指向はプロの理論ですから、初心者にこびるのではなく、実践的でなければなりません。 実践的であるにはこうなるのは当然のことなのですが、万人に習得しやすい理論は構築不可能なのです。しかし、教育面に問題があると私は考えております。
私は日本のオブジェクト指向がそれほど普及しているとは思えませんし、ちゃんとした教育がなされているとは思えません。初期のオブジェクト指向の宣伝が過剰で、実態を表したものではなかったし、あまりにも分析と設計がおざなりになっております。それ故、プログラミングが出来なくとも設計が出来ると誤解されているのでしょう。 ちゃんと学習していれば、そんな誤解をする筈がありません。
さらに、スリーアミーゴズの書籍は軒並み絶版ですし、今から分析と設計を学習する人は、メイヤー氏の本を読むしかないでしょう。でも、オブジェクト指向が一意だと誤解するのは非常に問題です。どうにかならないものかな・・・